自分の体の声を聞き本質を選べる生き方をして欲しい
ツイテルカンパニー株式会社 代表取締役
舟木 雅彦
アトピーの経験から食の大切さに目覚め、負けん気の強さと職人気質でオーガニックにとことんこだわり続けるツイテルカンパニーの舟木社長。本来あるべき食の姿、そして自分で責任をもって選んでいく生き方とは?
負けん気とこだわりが強い性格。店長から職人になれと言われた
舟木 雅彦(ふなき まさひこ)
ツイテルカンパニー株式会社 代表取締役。
ベストを知ってベターを選ぶ生き方を、食の安全性への関心が高まっているいまだからこそ、飲食人として正しい食を伝たい。居酒屋価格でオーガニック食材を堪能させ、食の本来のあり方を伝える飲食店「SANCHA ORGANIC 85BAL TEPPEN」を三軒茶屋で経営。
日下部社会人になってずっと飲食の仕事をされているのですか?
舟木もう25年になります。一度半年程度違う業界の仕事をしたこともありますが、それ以外はずっと飲食業界です。
日下部学生の頃から飲食業を目指されていたのでしょうか?
舟木いいえ、まだ何をしていいのか分からなかった19歳のときに、アルバイトをしていた先が飲食店だったのがきっかけなのですが、僕はオペレーションにしても調理にしてもこだわりが強くて、そのときの店長から「舟ちゃん、だったら職人になっちゃえば?」と言われました。
日下部そのこだわりというのは、独学で何か学ばれていたのでしょうか?
舟木いいえ。昔から効率よく働いて仕事ができる自分でありたかったんです。
日下部そうなんですね。
舟木高校が進学校だったこともあって大学受験をしたのですが、結果は不合格。浪人生として塾に通いながら次の受験を目指すことになったのですが、その費用が結構かかるんです。
もともと勉強もあまりしていなかった僕は、これは親不孝者だと思い、住み込みで朝刊夕刊を配る新聞奨学生になり、最初に支給された60万円を浪人中の予備校費用にあてました。
家を出て住み込みをしながら新聞を配り、予備校に通う生活を始めたのですが、その頃の僕は机に向かって勉強するより、人生経験豊富な人の話を聞くほうが刺激的で楽しかったので、新聞配達が終わると勉強もせずにその人たちと食事に行ったりしてたんです。
ところがある日、予備校の自習室を覗いたら、みんなものすごく真剣に勉強していて、自分と周りとのギャップを感じて“受験は辞めよう”と思ったんです。でも新聞奨学生は継続しなければならなかったので、仕事としてお金を稼ぐことに考えを変えて、営業や集金をバンバンこなしました。“誰よりも良い成績を出したい、誰にも負けたくない”という想いが強かったんです。
そんな性格だったので、飲食店でアルバイトしたときも、誰よりも料理を美味しく、早く作るということに対しての意識が高くて、職場では煙たがられていました(笑)。
日下部そうだったんですね。
舟木職人も悪くないかも・・と思い、普通なら学校を探すところですが、僕の場合は「理論より実践」という考えだったので、まず本屋に行き、有名な飲食店が出している本を見つけて、その本の最後に記載してある飲食店に電話して「募集していませんか?」と問い合わせました。
そのお店では働けませんでしたが、その方が繋いでくださったイタリアンのお店で、7年間働かせてもらうことができたんです。それがこの業界に踏み込んだきっかけですね。
日下部料理はお好きだったのですか?
舟木いえ、もともと好きだったわけではありません。僕が小学生だったころ母親が入院しまして、母親のために父親と一緒に肉じゃがを作ったら、とても喜んでくれたことを覚えていて・・・そんな記憶が影響しているのかもしれませんが、料理を作り人が美味しいと喜んでくれることが、自分の喜びに感じていたんです。
日下部7年間お世話になったイタリアンのお店でも、負けたくないという想いで仕事をされていたのですか?
舟木そうですね。そこに入社したときはバブルが弾けた直後で、3店舗あったお店が1店舗に縮小されたにも関わらず、同期の新人が6人もいたので、キッチンとホールを3か月交代で担当することになりました。
僕は料理を勉強したくて入社したのに、1年間の半分しかキッチンに入れない。それが凄く嫌で・・・。でも同期にも負けたくないし、この限られた時間でどれだけの成果と実績を作れるかという想いで3年間取り組んだら、次第に脱落する同期も出てきて、お店の2番手の立場まで上がることができました。
毎日“仕事を辞めたい”と思いながら、でも負けたくない、そんな葛藤の毎日でした(笑)
日下部負けたくないのに辞めたいということは、仕事が辛かったのですか?
舟木しんどかったです。朝8時に現場に入り、帰りは終電。丸1日の仕事で休憩もなくシフトもなく、寝るためだけに家に帰って、3時間くらいしか睡眠がとれないことも多かったです。今のように労働基準法がどうのって感じではありませんね(笑)。とは言ってもいいこともあったので、なんとか頑張ってきましたが・・・。
日下部私の主人も飲食の仕事ですが、最初の修行時代は影で泣きながら仕事をしていたという話を聞きました。飲食業ってもの凄く大変な仕事ですよね。
舟木本当、泣き入りますよ。(笑)僕が最初に努めた会社は個人店ではなく家畜の飼料を作ったりしている、それなりにしっかりした会社でしたが、お給料はめちゃめちゃ安かったです。当時でいえば良い方なのかもしれませんが、1か月休みなくフルで働いて11万円ですからね(笑)
日下部それは、なんと言えばよいのか・・・厳しいですね。辞めたくなります(笑)今だったら最低賃金も保証されていませんし、きっとブラック企業になっていますね。
寝る暇もないくらい忙しかった20代。シーツに血が付くほどひどいアトピーに
日下部現在は「SANCHA ORGANIC 85BAL TEPPEN」の1店舗だけの経営ですか?
舟木3年間1店舗で経営し、その後に日本酒の「富成喜笑店(ふなきしょうてん)」というお店をオープンしましたが、現在経営しているのは「SANCHA ORGANIC 85BAL TEPPEN」の1店舗のみです。
実はこのお店は三軒茶屋という街に合致していません。三軒茶屋ははしごをしていろいろなお店を周る人が多く、客単価が低いお店の需要が多いんです。しかし、うちの店はカウンターが多くテーブル席が少ないので、団体に不向きで・・・カウンターが空いていてもお断りすることも多かったんです。
もったいないなぁと思い始めた日本酒のお店は、カウンターもありつつテーブル席も増やし、ワンコインで日本酒を気軽に飲めるバルでしたが、狙い通り繁盛しましたね。
日下部それなのにクローズしてしまったのですか?
舟木いえ、クローズはしていません。創業期からオーガニックというか食の大切な部分を提供できる飲食店をやりたいとずっと思っていたのですが、最初からこだわり過ぎた食材を扱っていたら、店が潰れてしまうだろうと考え、ワインだけBIOワインにこだわって営業していました。
だからといって化学調味料をたくさん使うようなことはもちろんありませんでしたが・・・。
ちょうど4年前に2店舗とも従業員に任せられるようになったので、僕は経営者の仕事に専念するために、援農に行ったり、生産者さんに会いに行ったり、とにかく1年間、食の勉強をしまくりました。
以前から食の真実を知っていましたが、より勉強して深堀することによって、このままじゃいけない!と強烈に思うようになり、まずは従業員に「選んでいく生き方」という題名で、今の食事情についての研修を行いました。
現場で働く人間が食への意識が足りないと、原価が上がるだけでまったく意味がないので、自然栽培編と、食品添加物、遺伝子組み換え、牛乳、小麦、白砂糖の弊害、そして経皮毒の弊害をまとめて8時間喋り通しました。
こういう方向を選びたいと言っても、現場の人間はすぐにはピンときません。1回話しただけでは伝わらないということもわかっていましたし、トップダウンでこうしろ!ということもできましたが、いろいろ考えた結果、無理にやらせるより、こちらのお店は僕が店に入って対応し、日本酒のお店はこだわり過ぎないお店として、分けて運営していくことにしたんです。
その後、このちぐはぐな2店舗を経営している自分に疲れてきて、自分は本当は何をしたいのかと問うようになり、やはり自分は“食の大切さを伝えていきたい”と1店舗に集中することに決めました。
実はうちは独立志願者を採用してきたのですが、思うように人が育たなかったため、自分の人材育成にも問題があるのかもしれないと思い、大きく広げず集中して取り組むことを決めました。来年が丁度10周年にあたる節目なので、第二次創業期としてスタートしようと事業計画を立てているところです。
日下部食の大切さについては以前から知識があったとのことですが、何かきっかけがあったのでしょうか?
舟木きっかけははっきり分かりませんが、いつの間にかそういう意識を持つようになりました。20歳のときにアトピーになったのですが、当時働いていた飲食店の仕事がとてもハードで、糊付けされたコックコートの腕をまくって汗をかきながら仕事をしていたら、汗疹ができてしまったんです。ところが全然治らなくて、病院に行ったらアトピーと診断されてしまいました。それから多感な20代をアトピーで過ごすことになったのですが、首回りや腰回り、目の上、腕が結構ひどくて、寝ている間にシーツに血がつくほどでした。
日下部コックコートの洗剤や、糊の経皮からの吸収も影響したのかもしれませんね。
舟木引き金になったと思いますが、仕事もハードだったので免疫力も落ちていたんだと思います。お酒もかなり飲んでいましたので、体への負担は大きかったんでしょうね。完璧に治っているわけではありませんが、現在は問題ないレベルまで改善しています。
発症して13年くらい経った頃、1週間会社を休んで温泉治療をしにいきました。温泉に浸かり、食事療法と足裏マッサージをする内容で、早く治りたい一心で取り組みました。その温泉は無色透明なのですが、僕が浸かるとお湯が白濁し、2~3時間浸かると、すごく体力を奪われるんです。本当は残りの時間で軽い運動をするのですが、僕は疲労感が半端ない状態で、温泉から戻ってきたら倒れ込むように寝てしまいました。
十何年もの間、歯をくい縛って休まず頑張ってきた体が緩みだして、1mmも動けなくなってしまったのだと思います。そんな感じで1週間温泉治療を行いました。直後はあまり変化がありませんでしたが、好転反応だったようで、しばらくして、あれ?と思うくらい改善していきました。でも、それからは、以前のような3時間睡眠では耐えられなくなってしまい、1日最低でも4~5時間は寝ないといけなくなりましたね。
日下部睡眠は大切ですからね。体が悲鳴をあげていたんですね。
子供や孫に残していける本来あるべき食の姿を伝えていきたい
日下部オーガニック食材にこだわり始めたきっかけは何だったんですか?
舟木『食品の裏側』という本に影響を受けました。また、子供のころから食事にお菓子ばかり食べていたという方から、子供が産めない体になったという相談を受けたことがあり、原因を突き詰めていくと、やはり食事がとても重要だということがわかって、マクロビやグルテンフリーなどをより深く勉強するようになりました。
日下部最近はそういうお店を求めている方が増えているので、舟木さんのお店はとても有り難いですよね。
舟木それはよく言われますね。こういう言い方をすると語弊があるかもしれませんが、今、オーガニックが商売の道具になっていると感じます。なんだかヘルシーで健康的なイメージがあるから、お客さんが来るんだと思っているお店もあって・・・。うちのお店では、油にしても調味料にしても本質を理解して自信を持って出せるものしか扱っていないので、それがわかるお客さんにとっては、うちはとても喜んでいただけるお店だと思います。
ご来店いただいたお客さんとも、そんな話ばかりしていますよ(笑)。
日下部私もホスピスの食事管理をしていますが、調味料は良いものに変えてもらっています。残り少ない人生の食事、好きな物を食べればいいと思いますが、だからといって調味料から何から何まで質が悪いものを使っていいというわけではないですよね。
野菜などをすべてオーガニックというわけにはいきませんが、好きなメニューを食べるにしても、調味料だけでも質の良いものにする。見えないところだから“どうせ分からない”と粗悪なものでごまかすのではなく、見えないからこそ配慮をするって大切なことだと思っています。それを調理する方に理解してもらうのも結構ハードルがあったりしますけど。(笑)
舟木確かにコストなどから考えると難しいこともありますが、やり方なんですよ。やる気があって気概があれば出来るんです。我々の子供や孫にきちんと残していける食が大事で、本来あるべきお肉や野菜、調味料、そういう食材を使いながら、本当の食の姿を伝えていくことが、うちの店でやりたいことなんです。
当初はどこまでやるのか相当悩みました。調味料こっちのほうがいいんじゃない?スイーツはどうするの?マヨネーズは良質の卵と油ならいいの?それとも植物性のみでつくるの?野菜はオーガニック?有機?ビーガン対応するの?・・・いまでは着地点を作れていますので、方針は固まっていますが、最初はかなり悩みましたね。
日下部確かに線引きは難しいところですよね。
舟木うちのお店は日本全国からお客さんが来てくださるんです。この価格でここまでこだわったお料理が食べられてワインが飲めるお店は他にはないと言って、昨日も北海道から来てくださった方がいました。東京に来たときはわざわざ足を運んでくださいますね。九州の方も来てくださいますよ。
日下部素晴らしいですね。求めている方からすれば、本当にわざわざ足を運んででも行きたいお店です。そういう消費者が増えていくことがとても大切なことだと私は思っています。
消費者の知識が増えると、例えば農薬まみれの野菜が売れなくなっていく。そうすると農家も減農薬や有機栽培などを選択していく必要がでてくるわけですよね。野菜に限らずスーパーに並んでいるインスタントやレトルトも同様に、質にこだわる消費者が増えれば自然と企業はニーズに応える商品をつくることになりますから。
舟木作り手が先に変わるのではなく、売れない環境を作れる買い手が先に変わるほうが、世の中の動きを変えていくことができます。まして飲食店なんて人様の口に入れる食事を提供させてもらっているわけですから、その知識を知らずしてお店をやるのは良くないことだと思います。飲食店の人にこういうことを伝えていきたいですね。
日下部同業者のほうが話しにくくないですか?どこを目指しているのか、何を見ているのかによって、経営の仕方が違ってきますから。
舟木実際には難しいこともありますからね。うちのようにこだわりつくしている店には、とやかく言ってくる人はほとんどいないですが(笑)。
僕は素材が一番大事だと思っています。素材がよければ調理にそれほど手間をかける必要がなく、とてもシンプルな調理で済むので。だからうちの料理は玄人ウケは悪いですよ。(笑)
日下部そうなんですか?
舟木最近はガストロノミックな料理が流行っていて、手をかけて皿に半分だけ盛り付けてみたり、新しい調理器具を使って触感を変えたり、再構築をしたりという料理が多いのですが、手がかかっているわりには美味しいと思えないんです。野菜の声が聞こえてくるんですよね。“俺こんな風にしてほしくなかったんだよね~”って。シンプルに調理したほうがもっと良い味を引き出せると思ってしまうんです。
日下部確かにそうですね。これは何?というくらい手が込んでいて、もとの野菜がなんだか分からない状態の料理に感動したことはないですね。それよりも野菜がシンプルに調理されていて、はっきり野菜の味を感じる料理のほうが美味しいと思います。
舟木野菜って切り方や下ごしらえ、火の入れ方ひとつだけで素材を100%引き出せるのに、コネコネされている料理を見ると、野菜が可哀想だなと思うことが多いですね。
日下部食って芸術作品の一つになってしまっているところもありますよね。野菜の声が聞こえるという表現、いいですね。どんどん会話してほしいです。
舟木野菜は旬でも味の変化があるので、野菜が喜ぶような調理をしてあげたいと思っています。走りの時期より名残の時期のほうが、生命を維持しようと種が大きくなったり、守ろうとして繊維が固くなったり、水分量も変わってきます。香りも風味も全然が違うので、そのときの状態に合わせて調理法も変えたりしますね。
日下部冬場に美味しい野菜のお勧めはありますか?
舟木熊本の塩トマトが美味しいですよ。トマトって塩味のストレスと水分のないストレスを与えると食味が上がると言われていて、甘味が増して美味しくなります。熊本の塩トマトを栽培している畑では、海が満潮時になると海水が畑に流れ込んでくるため、塩とミネラルが大地に入って、とても美味しいトマトになるんです。そのときの気候によっても味の変化があるのですが、そのフレッシュトマトを使ったパスタが評判がいいですね。
あとは千葉のおばあちゃんの人参です。30年間無農薬無化学肥料で土づくりをしている人参で、人参の概念が変わるんじゃないかというくらい、美味しい人参なんです。
日下部土が違うと味が全然違いますよね。
舟木そうですね。野菜はその畑で農作業をしている人達や箱詰めをしている人達など、いろんな人の手を介して届きますが、その人達の心理状態も入ってくるんです。たまに農家さん直で届いた野菜の箱を開けると、“おや?”って思うことがあるんです。何かあったのかな?って。気になって聞いてみると、人間関係に問題があったりするんですよ。
日下部本当に野菜の声を聞いているんですね。
舟木心を穏やかにして野菜と向き合うと、実は自分の内の声も聞くことができるんですよ。
体の声を聞くことができると、体に合わないものを自分で排除していくことができる
日下部料理は愛情込めたものかどうかが伝わりますよね。料理人の心の状態がお客さんにバレていることって多いと思うのですが、料理人さんが気づいていないこともありますよね。
舟木そういう人は料理ではなく、作業しているんですよ。
日下部海外は食に対しての意識が高いのに、日本は食に関しては遅れていますね。
舟木今の子供達が食べているものも酷くて、これは親に知識がないのが問題です。みんな他人事なんですよ。
僕もアトピーという経験をして気がつきましたが、うちのお店に来るような方と話をしていても、みんな大病して初めて気づくという方が多いですね。
日下部子供の未来もそうですが、超高齢社会の日本の問題として、2025年には高齢者の5人に1人が認知症になると予測されています。その要因として摂取している油や小麦にも問題がありますよね。
舟木小麦の問題の3大要因は、まず品種改良と遺伝子組み換えです。ただの交配ではなく、放射能照射をして自分たちの都合の良いように造り変えてきたこと。遺伝子に傷をつけて、そこから都合のよいものを交配させていくのは、奇形の小麦ということになります。昔の小麦はグルテンも今ほど多くなかったのですから。小麦が悪いのではなく、このように操作されてしまった奇形の小麦に問題があるということです。
あとは、ポストハーベストの問題。船で輸送されてくるときに赤道を3回くらい通ってくるため、タンカーの中は70度にもなるそうです。それでもカビたり虫が湧いたりしないように、脱穀した小麦に農薬や防虫剤を撒いているわけです。小麦アレルギーの原因のほとんどが、そのポストハーベストや食品添加物が原因とも言われています。うちで使っている古代小麦のパスタは、小麦アレルギーのある人が食べても8割はアレルギー反応が出ないと言われています。本来の小麦は、決して悪いわけではないということを伝えたいですね。
それにしても、外でちょっとお腹が空いたと思い、周り見回すと小麦だらけですよね。うどん、そば、ラーメン、ピザ、パスタ、カフェ、パン屋さん、みんな小麦です。お茶のときのケーキなどもみんな小麦です。
僕は以前、2週間のグルテンフリー生活に挑戦しましたが、終わった後とても体が楽になりました。もともと小麦が入ってしまっているものは仕方ないとして、原則グルテンフリーで1日1~1.5食の玄米菜食を2か月続けたら、10㎏くらい減量しました。それから更に減っていき、最大15㎏の減量に成功しました。
日下部今も継続しているんですか?
舟木4年前に始めて3㎏戻りましたが、現在も継続しています。今は率先して小麦は摂れないです。摂らないのではなく、摂れない。摂りたいと思わないんです。時々ラーメンが食べたいと思ったりしますが、摂ると自分の体がどうなるか分かりますので。胃の状態がこうなって、体がだるくなって、仕事に支障でるな・・・やめよう・・・と思うんです。前は毎年ウイルス性の胃腸炎になったり、風邪にひきやすかったりしていたのが、それ以降全く風邪もひかなくなりました。もちろん外食などで摂ることもありますが、そのときは体の確認作業として捉えます。体から抜く方法なども身につけているので、怖いものはないですね。
日下部それ以外に、コンディションを整えるために取り組まれていることはありますか?
舟木朝食は食べないですね。あとは、調子悪いと思ったら食べない。
日下部私も朝食は食べません。個人差もあるので、食べたい人は食べればよいとも思いますが、私は食べないのが一番楽ですね。
舟木空腹最高ですね(笑)。頭も冴えるし、体の調子も良くなる。消化にもエネルギーを使うので、体の調子を治したいときは食べないでエネルギーを治すことに使う方が良いですから。運動はしていませんが、日曜日に子供たちと鬼ごっこをして走ると調子がいいので、あえて鬼ごっこしています(笑)
ただ、お酒を飲み過ぎてしまうので、そこだけは自分の課題としています。昨日は久しぶりにお酒を抜きましたので、このまま数日控えてみようと思っています。
日下部そうやって何かをやってみると、体の声が聞こえてきますよね。野菜の声を聞き、体の声を聞けるようになると、悪いものや体に合わないものを自分で排除していくことができるようになりますね。
舟木知識を得て選ぶということも大事ですが、本当は体の声を聞いて選んでいくことが一番大切だと思います。それが自分の人生に責任を持つということ。体調が悪くなったからといって、企業や生産者を責めても始まらないので、自分で責任をもって選んでいく生き方をして欲しいと思います。
日下部本当にそうですね。ちょうど来年は創業10年ということですが、これからの展望はありますか?
舟木本来あるべき食の姿を伝えていくという根っこは変えずに、改めて人材育成をしていきたいと思っています。今までは独立して出ていくという人材育成方式でしたが、今後はうちの会社に残って、ともに発展できる人材育成をしていきたいですね。
今まで人材育成が上手くいかなかった原因は、自分の考えるレールに乗せようとしてしまったことだと思っているので、そうではない人の育て方、関わり方、自分のあり方と改めて向き合って、次のステップにしていこうと考えています。
他には、店舗プロデュースや調味料等の物販も視野に入れながら、多角的に取り組んでいこうと考えています。
日下部素晴らしいですね。これからも応援しております。今日は勉強になるお話をありがとうございました。
日下部淑美からひとこと
人は自分が食べたり飲んだりしたものからできています。
自分に必要なものは自分で責任をもって選ぶ。そのためにも自分の基準となる知識はとても大切になります。しかし知識だけに依存するのではなく、自分の中の声に耳を傾け、自分で選んでいく生き方はこれからの時代に必要なことだと思います。すべては自己責任。何か失敗したとしても、それを選んだのは自分であるということです。
みなさんは自分の声が聞こえていますか?
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ツイテルカンパニー株式会社 東京都世田谷区三軒茶屋2-14-19 TEL: 03-6805-5773 代表者:舟木 雅彦 |
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