「書」と「食育」が私の使命 人のために全身全霊で取り組みたい
一般社団法人 全国いのちの食育書道展協会 理事長
福田 房仙
書道と食育を繋げる「全国いのちの書道展」を展開する房仙会の福田房仙先生。書道で人のためにできることや60歳からの生き方など、その熱い思いを伺いました。
すべての教育の分母は食育にあり
書道と食育を繋げる「全国いのちの書道展」
福田 房仙(ふくだ ぼうせん)
平成24年に日本で初めて食育をテーマにした「全国いのちの書道展」を開催。 この日本の誇るべき伝統文化「食」と「書道」で健康を考え表現する書道展は現在内閣府、文部科学省、厚生労働省、農林水産省後援をうけている。 「房仙会」書道教室では書道だけでなく、恩のこと、感謝のこと、人を思いやる心のこと、心の育成に手間隙をかけて生徒ひとりひとりにしっかり指導を行い人気を集めている。
日下部「全国いのちの食育書道展」はどんな書道展ですか?
福田食育に関する言葉を書道で表現するという書道展です。
今回で6回目になります。昨年は全国から5000点もの作品の応募があり、規模は年々大きくなっています。
企画・運営は房仙会(書道教室)やボランティアの皆様が手弁当でお手伝いして下さっており、人の温かさに助けられています。
この「全国いのちの食育書道展」は内閣府、文部省、厚労省、農林水産省、静岡県、そして各市町村に後援していただいております。
日下部そもそも「全国いのちの食育書道展」はどのようなきっかけで始まったのでしょう?
福田平成21年に三島市が食育推進都市宣言をし、私が三島市食育推進会議委員に任命されたことが始まりです。食育に関し、書道家の自分に何ができるかを考えていたとき、「書道」と「食育」を繫げた書道展を開いたら良いのでは?と閃きました。
その閃きがこの一般社団法人全国いのちの食育書道展協会を立ち上げるきっかけになりました。
日下部書道と食育を繋げるというのも、他にはない発想ですね。
福田そうですね。世界で唯一無二の書道展です。
日下部お写真を拝見しますととても作品が彩り豊かで華やかな書道展ですね。お話を伺っておりますと順調に運営されているように感じますが。
福田おかげさまで、「全国いのちの食育書道展」は年々知られるようになってきており、今年はとうとう全国47都道府県制覇出来るまでに成長させていただきました。
規模も拡大しているため運営上の理由から、私どもも一度は応募者から出品料をいただこうかと考えました。
けれども主旨に賛同し後援や協賛してくださる市町村や参加される皆様のことを考え、なんとか最初に掲げた『出品料無料』を貫いて今日に至っています。
日下部房仙先生は “食育”をどのようにとらえているのですか?
福田教育はすべての分母が“食育”なんです。食育がベースにあり、その上に体育、知育、徳育があるんです。“すべての基本が食にあり”ですよね。食事を食べなかったら、知育も体育も徳育も成り立たないわけですから。『食』を考え、年に一度でも筆を持ち半紙に向き合う。『食』に関することばを選ぶ。
「家族で食育について考えることが嬉しいです。」「食育に関する作品を書いて元気になれるんです。」と
参加者の方々から、このような嬉しい感想をたくさんお聞きしております。
食育と書道が融合できたのは、三島市が食育推進地域でかつ私が書道家だったからですが、
私は三島市から頼まれる前から子供たちに食育の大切さを伝える活動をしておりました。例えば「自分の好きな食べ物を自由に書いてごらん」とお稽古の中で、作品を書いてもらっていました。それを知った市から「素晴らしいことなので全国展開して欲しい」とお声がかかりました。
やりがいもあるし素晴らしいことなので、これが私の志事(しごと)と肝に命じ「全国いのちの食育書道展」をやり遂げたいという一心で、日々活動を続けています。
日下部未来の子供達のためにも良いことですし、親世代も食を考える良い機会になる、まさに社会貢献事業ですね。とても価値のある書道展だと思います。
ご主人はい、私どもはこの事業は社会貢献であり教育でもあると自負しております。そのため出品料をいただかないという姿勢でやってきました。近隣の小学校、中学校の生徒さんにも参加してもらっていますが、出品料がハードルになり、参加できない子供も出てしまっては元も子もありません。
福田無料で参加できるようにしようと言ったのは私の主人なんですよ。立ち上げ当初は正直厳しい局面もありましたが、最近では個人や企業の皆様から協賛金を頂戴できるようになってきました。とてもありがたいことだと感謝しております。
ご主人房仙の人脈で寄付をしてくださる方もおりますが、僕たちが「全国いのちの食育書道展」を盛り上げ、書道展の価値を皆様に知っていただければ、運営資金は必ず集まると信じています。
直感で思ったことを出し惜しみせずに教える
魂が揺さぶられるような教室にしたい
日下部今年の1月には房仙先生の個展も開催されていましたよね。
福田みしまプラザホテルという素晴らしいところで開催させていただきました。1000人余りの来場者があったので、私はトイレに行く暇もないくらいでした(笑)
日下部1000人とは凄いですね!房仙先生は、三島の宝ですね。
福田三島市には本当に大切にしていただいています。個展の打ち上げには、三島市長や静岡県会議員の方も出席して下さり、大変な盛り上がりを見せました。
日下部それも凄いですね!
福田現在、この書道展の一番のスポンサーさんは七田教育研究所の七田厚さんです。七田教育といえば右脳教育ですが、私は生まれたときから直感的に行動するタイプでしたので七田厚先生とはすぐに意気投合いたしました。
普段のお稽古でも書道を通じて生徒さん達のひらめき・直感力を高めたいと思いながら取り組んでいます。実際に房仙会からは、能力が開花した子供たちがたくさん育ち、さまざまな分野で活躍しています。
私の教室はほかの書道教室とは異なり、直感で「良いな」「今だ!」と感じたらその場で出し惜しみせずにどんどん教えていきます。年に一度の房仙会展では、来場者の前で園児から小学生の子ども達が平家物語や谷川俊太郎の詩などの暗唱を披露するので、皆さんに大変驚かれるんですよ。
「脳力・能力」を育むことを狙いにしている私にとっては、ごく自然の流れの中で行っている指導法の一環なのです。
子どもも大人も魂が揺さぶられるような体験ができる教室を目指しています。
日下部今教室拠点はどちらにあるのですか?
福田東京校、大阪校、三島校、米子校があります。東京校は経営者の方のみのクラスになりますが、大の経営者が「わ~!」とか「お~!」とか、みんな魂からの歓声をあげて書に取り組んでいます。
日下部経営者の方々が、そんなに興奮する書道教室ってすごいですね。私も先生の指導を受けてみたくなりました。フェイスブックの投稿を見させていただいていますが、房仙先生はすごくパワフルですよね。
福田今日も三島で教室を終えた後、東京でまた教室・・・と毎日慌ただしく動いています。いつも全力投球です。それに私のフェイスブックは内閣府や文部省の方々も見てくださっているので、投稿もがんばってやっています。
日下部房仙先生が書家になろうと思ったきっかけは何だったのですか?
福田父が文房具店を経営していて、書道の先生と親しかったこともあり、私が小学校1年生のときから家庭教師のような形で書道の先生が来てくださっていました。
しかし私が小学校3年生のときに10万人に一人の割合で発症する“リウマチ熱”という大病を患い、国立病院の先生から「この子は20歳までしか生きられません」と両親に告げられたそうです。私が病院ではっきりと覚えているのは、医師が両親に「今、この子の命を助けるには一粒300円の薬が必要ですが、お金はありますか?」と訊いていたことです。本当にドキドキしたのを覚えていて、お金が無かったら死んでしまうんだと思っていました。でも両親は「お金は大丈夫ですから、是非お願いします」と言ってくれて・・・。でも20歳までの命だということは、私には一切言いませんでした。
入院期間が長く、学校にもほとんど行けませんでしたので、自宅療養のときには書道をずっと続けていました。それが書家になるきっかけになったのですが、父が子供の頃からよく「字が上手だ」と褒めてくれて、私の得意分野をなんとか活かしてあげたいという気持から、書道を習う環境を整えてくれたようです。本当に父には感謝しています。
日下部今ではとてもパワフルに活動されていますが、病気はどのように克服されたのですか?
福田基本的には食事療法です。主人は私が病気ということもあって、食養生の勉強をしてくれまして、“食”で私を救ってくれたのです。現在、主人はその知識と経験を活かし食養道学院で食養を教えている院長です。
日下部本当に優しくて素敵なご主人ですね。運命の人とはこういう人のことをいうのでしょうね。
60歳で還暦祝いと生前葬。
そこからの人生は人の為に生きようと思った
福田私は60歳まではどうしても生きていたくて、ずっと“神様、60歳まで生かしてください。お願いします”と手を合わせて生きてきました。
そして60歳になったときに、還暦のお祝いをしていただいたのですが、同時にお葬式も200人くらいで盛大にやったんです。生前葬式ですね(笑)
そこからの人生は、人の為に生きようと思いました。
人の為と書くと“偽り”(いつわり)となりますよね。でも、本当に人の為に生きる人もいるんだということを証明したくて、今日死んでもいいという思いで、毎日を生きています。だからこそ、エネルギッシュにいられるのかもしれませんね。
日下部それは使命があるので生かされているのではないでしょうか。宇宙が味方をして、エネルギーを授けられているという感じなんでしょうね。
ご主人67歳なのにどんどん元気になっているので、あまり無理しないで欲しいとも思っているのですが・・・(笑)本人は“そんなこと言わないで”というんです。
相手と向き合い、相手のために全身全霊で取り組む。本当に突っ走っているから、生徒や周りがみんな房仙の魅力に惹かれるんですね。
福田無償のボランティアをすると、気持ちがすがすがしくて。良い事をしたなって・・・心が浄化されるんですね。
日下部人の為というのは、結局自分の為なんですよね。なので偽りという漢字になったのかもしれませんね。
福田昔の人はよく考えたもので、人の為と言っている人は嘘つきだと・・・。でも、本当に人の為に人生をかけている人も少なからずいるはずです。私はその少ない一人として、これからも人生かけて取り組んでいきたいと思っています。
ご主人房仙は食育と書を抱き合わせた世界で唯一の人なんです。2020年のオリンピックのときに、この子供達の書を世界の人々に見てもらうのが我々の目標です。外国の方にも、書の素晴らしさや、その中にある食と命を育む思いを感じてもらえたら嬉しいですね。
子供の自由な書は黒だけでなく、赤・黄色・青などの絵の具を使い色鮮やかな書を書いています。さらには絵まで描いて、これはもう芸術です。子供だけでなく、90代のご老人も応募してくださっています。先日は102歳の方も出品されていました。
こういう幅広い年齢の方々が出来ることも、書の素晴らしいところですね。
日下部本当そうですね。こちらの活動に賛同いただける方を募集しています。私達も陰ながら応援しております。お問い合わせは下記へくださいませ。今日はありがとうございました。
日下部淑美からひとこと
命がけで生きるということを今回のインタビューで教えていただきました。
皆さんは今日死んでもいいというくらい、今を一所懸命妥協なしで生きていますでしょうか?
明日があるか分からないと宣告された人にしか分からない、今生きているという有り難さがあるのかもしれません。生きることは苦しいこともたくさんありますが、生きていなければ出来ないこともあります。
この世に受けた生を命がけで生きられるというのは、この上ない幸せなのかもしれません。
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一般社団法人 全国いのちの食育書道展協会 静岡県三島市東本町1丁目14番19号 TEL: 055-919-0661 代表者:福田 房仙 |
コメント
福田房仙 さん 2017年08月21日 06:38
ご紹介いただき光栄です。
「全国いのちの食育書道展」を通じて
毎日何をどう食べるか、考えて食べることの大切さと
いのちの大切さは深い関係があることを知っていただきたい。
大切なことを年に一度はみんなで時間も作品も共有しながら
みんなが書いた作品をみることで
【これからの一年は私はこうすごしたい!】という一年の目標になる!
という目標が定まり、健康な身体とこころで過ごすことができる人が
多くなっていただけるように
活動してまいります。
どうぞ、これからも応援続けていただけますように。
がんばります♥