笑いは生きるための心の教育。感動できる人間力を育てたい

有限会社志縁塾
代表取締役 プロデューサー

大谷 由里子

伝説の漫才師、横山やすしに信頼された唯一の女性マネージャーとして、吉本興業で活躍後、志ある人サポートする「志縁塾」を立ち上げた大谷塾長。人間力を高める大谷さんならではの人材育成法についてお話しいただきました。

講演はエンターテインメント。聞いてくれる人たちに何かを持って帰ってほしい

大谷 由里子

大谷由里子(おおたに ゆりこ)

有限会社志縁塾
代表取締役 プロデューサー
吉本興業時代に日本で唯一横山やすしさんに信頼された「伝説の女マネージャー」。その後、研修事業を起業し独自のプロジェクト型の研修が人気となる。日本の未来を見据えて新喜劇を用いた研修を駆使し、グローバル化ダイバーシティを目指し笑顔で奮闘中。

日下部志縁塾を立ち上げた経緯を教えてください。

大谷25歳まで吉本興業に勤めて、結婚退社しました。それから2年間専業主婦をしていたのですが、ベンチャーや起業という世の中の流れもあり、主婦の片手間、販促を行う会社を起業しました。
吉本興業とも一緒に仕事をしていたこともあり、事業は順調で社員も増えて行きました。あるとき人材育成のための講演会やセミナーに参加した時に、全く面白くなかったんです。
従来の日本の教育は“Teach”という一方的な教育が主流でした。一方、ちょうどその頃に日本に入ってきたコーチングは、人を認め引き出して応援するというもので、気合いと根性ではなく“スキル”として存在することに感心し、勉強してみようと思いました。
その結果仕事も増え、27歳のときに企画会社を立ち上げました。M-1の事務局などを行っている会社で、今も存続しています。
2003年には “志ある人を育てていこう、志ある人を縁で繋ごう、志ある人をサポートしていこう”という想いを込めて、志縁塾を立ち上げました。

日下部講師オーディションもされていますよね?

大谷自分が起業して、4年目の31歳のときに阪神大震災を経験しました。たった1~2mの道を挟んで被害に大きな差がある現場をみたときに、人間はいつ何が起こるか分からないと痛感し、自分は何のために生き、残せるものは何なのか・・・あらためて“生きる”ということ、「使命」・・・命の使い方を真剣に考えました。お金も物も持って死ぬことはできませんので、生き方や生き様がとても大事だと思えるようになりました。
コーチングに出会ったとき、私がこだわっていることは“心の元気”だと確信しました。自分の心が元気でなければ、本気で他人の幸せは祈れません。職場や地域社会も同様です。ですから心と体の元気はとても大切なんです。

日下部本当にそう思います。

大谷私の父は医者でした。体の元気は気にしていましたが、そこに“心の元気”も大事だと気づき、自分はもっと教育や研修に特化しようと思うようになりました。
ちょうど21年前、最初の本となる『吉本興業女マネージャー奮戦記』が出版されました。講演にも時々呼ばれるようになりました。講演の本質は、ライブです。エンターテインメントなわけです。せっかくなら聞いてくれる人たちに何か持って帰ってほしい・・とこだわって話をしている内に、「大谷さんの講演ノウハウを勉強したい」と言われ、そんなことを知りたい人がいることに驚きました。お陰様で2009年に出版した『はじめて講師を頼まれたら読む本』はロングセラーとなっています。

日下部本の帯に書いてある“講演を科学する術”には興味があります。

大谷私は、“講演は科学である”と伝えています。漫才や落語には台本があり、プロはその台本を頭に叩き込んで、演出を入れて人に観てもらえる精度のものを作り上げています。ところが、世の中の講師と言われる人達は、台本を持たずになぜ行き当たりばったりで話をするのだろうと違和感がありました。
きちんとコンセプトを作り、外さない講演をつくることが大切だと話をしていると、京都大学の学生から、この話を本にして世の中に伝えるべきだと言われたんです。
そこで中経出版(現KADOKAWA)に企画を持ち込むと、こんなニッチな本はいらないと、最初の編集会議では採用されませんでした。ところが縁と運の巡り合わせから、中経出版の社長がたまたま講師を頼まれたことで“この本が欲しい!”となり、本が出版されることになりました。
中経出版がKADOKAWAになりましたので、今この本はKADOKAWAさんから刊行されています。おかげ様で16刷のロングセラーとなり、最近“最新版”としてリニューアルされました。

書籍「はじめて講師を頼まれたら読む本」

日下部これを本にするってすごいことだと思います。“こんなイメージ”のような感覚的なことを文字にして表現するのは難しいですよね?

大谷とても難しいですね。当時、講師のための本は2~3冊くらいしか世の中に出ていませんでした。今では、様々な業界の人が出版するようになり、50種類以上はあります。

日下部私も普段は講師側に立つことが多いのですが、こういう本は一切読んだことがありませんし、本があることも知りませんでした。早速読んで勉強させていただきます。
話は戻りますが、この本の出版をきっかけに講師オーディションの企画もスタートしたのでしょうか?

大谷はい。出版をきっかけに講師のスキルを学びたいという方が来られるようになり、頼まれた講師のテーマに合わせたネタ作りを14年間やってきました。そうやって引き出していくうちに、200人を超える人が本を出版するまでに至っています。

日下部それは講師コンサル、もしくは講師コーチングという感じでしょうか?

大谷講師といっても、経営者の方が研修で講師を頼まれたからと相談に来たり、カウンセラーの方が1対1はできるけど、1対多の場合はどうしたらよいか・・・という感じで、駆け込み寺的な相談が多いですね。
講演をすることになったというカメラマンさんからは、カメラの技術のことは伝えられても、それだけでは飽きてしまうし、相手には響かないので、どう話をしたら良いかと相談されました。
今までに、1500人を超える人のネタづくりをお手伝いしています。お一人お一人に人生があり、お持ちのノウハウや、素晴らしい経験をされています。そんな素晴らしい経験や体験からの気づきや、考え方を世の人たちに伝えたいという想いから講師オーディションを開催し、今年で9回目になります。エントリーされた人の動画は全部YouTubeから無料視聴できます。気に入った人がいたら、1000円の投票権を買って、投票をすることもできます。投票権があれば予選から本選まで投票できます。

日下部実は昨年、この取材のご紹介者が講師オーディションに出場されていたので、私も1000円で投票権を購入して投票しました!

大谷ありがとうございます。何故投票権を1000円にしたかというと、例えば友達から頼まれて投票する場合、無料だと他の人まで見ようとは思いません。1000円でも支払うと、元を取ろうという気持ちで他の人も見てみようと思いますよね。これはCDを購入しないと投票できないというAKB方式と同じです。

日下部おもしろい方法ですね。納得です。

大谷講師という字はもともと“講師”と書いて“コウジ”と読みました。経典などの難しい言葉を簡単にして分かりやすく庶民に伝えるお坊さんのことを指していた言葉です。ですから先生ではないんですよ。

大谷百合子・日下部淑美

日下部難しいことを難しいまま伝えるのではなく、分かりやすく簡単に相手が行動に起こせるように話をするのが、講師の役割ということですね。

大谷講師の塾(講師塾)来られる方に必ず質問します。「あなた達は、講師になりたいのか、先生になりたいのか、プレゼンを学びにきているのか、どれですか?」と。(笑)ごっちゃになっている人が多いので。

横山やすしに信頼された唯一の女マネージャー。吉本では「大変」は大きく変わるチャンス

日下部淑美

日下部 淑美(くさかべ よしみ)

BODY INVESTMENT代表
フードエリート / 真実の予防医学食研究家 / 管理栄養士

プロフィール

日下部ご自身の体験から学ばれたことが今に繋がっていると思いますが、このような伝える方法をどこかで学ばれたのですか?

大谷改めて誰かに師事したというより、現場の体験がベースにあって、そこに後から学んだコーチングなどの技術が理論として繋がったという感じです。

日下部学んだことを形にして応用しているのですね。本の中でも記載がありましたが、大谷さんは吉本興業の横山やすしさんから信頼された唯一の女マネージャーですよね?

大谷吉本時代、山田邦子さん司会のクイズ番組に、横山やすしさんが酔ったまま収録に現れて、ゲストの片岡鶴太郎さんに絡んでしまったんです。当時、飛ぶ鳥を落とす勢いだった太田プロの山田邦子さんでも止めらませんでした。吉本内部だけならまだしも、吉本と太田プロの関係もあったので、横山さんを楽屋に引っ張っていって、「いいかげんにしてください!」と軽く(笑)。でもその程度ですよ(笑)。
そうしたら、たまたまその日、片岡さんに新聞記者の取材がついていて、次の日の新聞に『やすし、マネージャーに殴られる!』と書かれてしまったんです。私自身はとても落ち込んだのですが、吉本ではみんな大喜びでした。

日下部この時代はまだ女性がそこまで社会進出をしていない時代だったので、大谷さんご自身もかなりご苦労があったのはないですか?

大谷そうですね。『吉本興業女マネージャー奮戦記』が出版されたことで、講演をして欲しいという依頼が増えましたが、私自身、苦労=不幸だと思っていません。吉本は“人を扱う”の会社なので、温かいというイメージなんです。
よく“やすしさんのマネージャーでは大変ですね”と言われましたが、社内では“大変”という言葉に対して、“大変って大きく変わるって書くんや!大きく変わるチャンスなんやで!”という風潮でしたから。
逆に西川きよしさんは、きっちりしている方なので、マネージャーは大変ですよ。例えば、予定時刻に西川さんが遅れると、ちゃんと時間を伝えたのか!とマネージャーが叱られるわけです。一方、横山さんの場合、横山さんがいい加減なところがあるので、私が時間を間違えて伝えてしまったとしても、誰も私のことを疑わないというメリットがありました(笑)。逆に周りから「君も大変だね」と慰めてもらえたりして、横山さんも自分の記憶に自信がないので、“そうだったかな・・・?”となるんです(笑)。

日下部本を読むと、大谷さんの社会人としての成長具合がよくわかりすね。

大谷学生から社会人になったばかりの時期は考え方も甘く、未熟でしたから、がむしゃらでしたね。社会人になって、“結果を出してなんぼ”ということを吉本で教えてもらいました。

日下部起業して感じたことはありますか?

大谷吉本では会社に守られていましたので、どちらかといえば起業してからのほうが苦労が多いですね。
自分が経営者になって感じたのは、タレントのマネジメントと社員のマネジメントは違うということです。タレントの場合、プロ対プロで売りたいという目標設定が明確でした。ところが、社員となると、バリバリ働きたい人もいれば、家庭が大事、子育てが大事、出世なんかしたくないという人もいるし、とにかく価値観がバラバラなんです。バラバラな価値観の人達が存在していることは、当時27歳で起業した私には分かりませんでした。

日下部その中で何かを伝えていくのは難しいですね。

大谷人材育成では、明日からすぐに何かが劇的に変わるわけではありません。講演の現場で意識していることは、“1つでも2つでもキーワードを持って帰ってもらう”です。
落ち込んだときや、死にたいと思うことがあるかもしれない、挫折を味わうことがあるかもしれない。そんなときに“大谷さんこんなことを言っていたな”“じゃこんな考え方もあるな”と思いだしてもらうことが大切だと思うんです。
伝えているのは行動や考え方のヒントで、90分の講演や研修を通して、落ち込んだとき、躓いたときに行動や、考え方を変えられる人間性を育んでもらいたいと思っています。

日下部奥が深いですね。新人向けや役職者向けなど、役職によって研修内容に差はあるのですか?

大谷ありますね。どこの人事部の方もグローバル化、ダイバーシティとおっしゃいますが、その人事部が一番グローバルでもダイバーシティでもないことが多い(笑)。
実は、研修会社としては、階層別研修のほうが商売として旨味があります。それが悪いというわけではありませんが、うちの会社では階層別はやっておらず、できるだけいろいろな階層の人たちを混在させた研修を受けてもらいます。

日下部それは珍しいですね。

大谷そうしないと、職場では、使えない知識のままなんです。部長だけ集まって研修しても、今の22~23歳の若者達の考え方は、理解できないと思います。

日下部確かにそうですね。双方のことを理解して、ぞれぞれ何か気付きを得てもらうことが大切ですね。

大谷我が社の研修を導入してくださる企業さんは、“それ面白いね”と言ってくれますが、なんで新入社員と一緒にやらないといけないんだ?と拒まれる会社もあります。

日下部大谷さんが拘る理由は、階層別に意味がないと考えているからなんですね。

書籍「吉本興業女マネージャー奮戦記」

大谷階層別研修だけに偏るのは危険だと考えています。部長同士や新入社員同士でいくらワークをやっても本当のことには気づけませんし、人事部もアンケート結果だけをみて判断していて、研修の内容を理解していないこともあります。10代から50代まで一緒にやると特に世代間のギャップについて気づき、学びが深まります。
最後に研修を受けた感想をシェアすることもあります。新人さんから“ここで出来ても現場に戻ればいつものように戻ってしまうので無意味ではないか?”という意見もあります。実は、その意見や考え方(感じ方)を直接50代の人に聞いてもらうこと自体にも意味があるんです。

上司も部下も一緒になって新喜劇をつくるプロジェクト型研修

大谷由里子

大谷我が社では、上司も部下も一つのチームになって、“新喜劇をつくる”という研修もしています(笑)。

日下部え~?!新喜劇ですか?そんな研修があるんですか?(笑)

大谷部下が部長の頭をハリセンで叩いたり(笑)、そういうことをやると、会社の風土がいい意味で変わります。
会社の取り組みとして、新喜劇はハードルが高いという企業には、会社のプロモーションビデオやCMを新入社員と上司が一緒になって作ってもらいます。
これをすることで、自社の歴史を学べたり、お互いのことを理解できたり、コミュニケーションを取りながら身になる研修ができます。これをプロジェクト型の研修と私達は呼んでいます。

日下部プロジェクト型の研修とはそういう意味だったのですね。プロジェクトとなると期間も長いですよね?

大谷そうですね。3ヶ月~6ヶ月が中心です。定期的に社員同士がコミュニケーションをとって取り組んでいく必要があるので、その成果をホームページで公開してもらうこともあります。
例えば、自社の工場がある企業の場合、工場と本社の間ではお互いの業務を理解出来ていないことがあります。そこで、それぞれがプロモーションビデオを作り、会社の周年行事やイベントのときに発表してもらい、賞をつけたりすると、それぞれの仕事に敬意を払い、こんな同僚がいるんだという認識を深めることができます。

日下部とても魅力的な研修ですね。ただホームページの案内を見ただけでは、この研修の醍醐味は理解してもらえないかもしれませんね。

大谷ホームページの情報だけでは、なかなか理解しづらいかもしれません(笑)。研修のご依頼は、ご縁のある企業様からの紹介を中心にお受けしています。

日下部私も以前は大企業のカテゴリーに所属していましたので、階層別研修が当たり前でした。ワークもとりあえず言われるがままにやっていましたが、形式だけやっても仕方ないのでは?と毎回感じて、本気で取り組んでいなかったように思います。新喜劇はちょっとハードルが高いですが、大谷さんのおっしゃる研修だったら楽しく意味のある時間になるだろうと思います。

大谷新喜劇をやった会社はコミュニケ―ション力がグン!と上がり、会議は笑いが溢れる会議になります。例えば“俺、女装の衣装買ったけど嫁に見つかったらどうしよう・・・”とか、周りをいかに笑わせるかを考えるようになるので、準備の段階から楽しくなります。

日下部新喜劇こそ、長けている能力を上下関係無しに活かすチームプレイですよね。お笑いの脚本を部長が書けるわけではないですし、衣装や小道具作りが得意な人もいるだろうし、それぞれを尊重していないと作り上げることが難しいですよね。研修での新喜劇、観てみたいです(笑)。

大谷一般公募の新喜劇研修もありますので、そちらはご覧いただけますよ。もともとこの一般公募の研修が先で、その後に企業の新喜劇研修をするようになりました。
もう21年目になりますが、一人で起業した方や、会社から入るように言われた人、自ら研修を受けにくる人など、全く違う人たちが集まって一つの新喜劇を作り上げます。今年度から、大阪では「NHKサービスセンター(梅田教室)さん」のプログラムの一つとなりました。

日下部それがこのリーダーズカレッジなんですね。この発想は吉本経験者の大谷さんならではだと思いますが、いろんな人が集まるということは、参加したきっかけも様々ですか?

大谷何かやりたいという志を持っている人、会社の命令で無理矢理参加した人、自分を変えるきっかけづくりの人もいれば、失恋したから参加したという人もいます。実は、そうやって様々な人達が存在して関わりあっているのが社会なんですよね。

日下部それが新喜劇を通してまとまっていくんですね。

大谷アメリカのMBAコースには、劇を通してチームビルディングを学ぶというカリキュラムがあるのですが、うちはそこに“笑い”を追加しています。

リーダーズカレッジ

日下部衣装の検討や、与えられた予算でどうやりくりするかなど、仕事上では経験していない立場のことも含め、沢山の学びがありますね。

大谷そうですね。しかも実はこの新喜劇を通して生徒さん同士で16組が結婚しているんです。

日下部え~婚活新喜劇ですね!

大谷地域によってはアレンジして、婚活に活用しています(笑)。婚活コミュニケーション研修ですね。

大局だけなく、現実的にできることを語れる人間を養成したい

日下部 淑美

日下部大谷さんが今一番やりたいことってなんでしょうか?

大谷人としてどう生きていくか、そのための心の教育が大事で、笑いもその一つなんです。好奇心が持てる人材、感動できる人材、工夫できる人材を育成し、人間力のある人を育てたいと思っています。そこが一番ですね。地域力も国力も、結局は人間力ですから。

日下部“人”で判断していることって多いですよね。同じ商品でも、この人から勧められたら買っちゃうみたいな。

大谷私、ホテルだと東横INNさんが好きで、メンバーズカードも持っています。出張族からするとホテルの宿代はシビアな問題で、あるホテルの休日料金は平日の3~4倍も跳ね上がることもあるのに、東横INNさんは一定なんです。
最近は人気でなかなか予約できないこともありますが、これは今までのお客さんを大事にしているからだと思うんです。

日下部相手のことを思いながらビジネスができる人材を育てるということですね。今まで研修、教育事業をやってきて嬉しかったことは何ですか?

大谷自分の研修を受けてくれた人が出版したり、活躍したりしていることが、本当にうれしいですね。皆さん報告に来てくれるんですよ。ここに彼らの出版した本が並んでいますが、これは私にとって孫のような本です。

日下部嬉しいですね。本当に沢山ありますし、分野も多岐にわたっていますね。最近の研修依頼ではどのような内容が多いのですか?

大谷女性活用というテーマが多いですね。ただ私はそのたびに「女性は活用して欲しいなんて思っていない、活躍したいんです」と伝えています。そういう言葉を使うこと自体、まだまだ男性の意識が低いと感じますね。

日下部医療分野では予防医学を勧める時代になってきていますが、国の政策にしても予算にしても、何かを決めているのは全て男性。でも私がセミナーをすると、参加するのは女性ばかり。
質問事項や相談内容はもちろんご自身のこともありますが、お子さんやご主人の健康のことや、ご両親の介護のことなど、自分以外の健康についての相談も多く、不安を抱えながら頑張っているのは女性なんだと感じます。
でもそんな女性達に、お偉い方々が検討した結果はなかなか降りてきませんし、届いていません。しかも実際の現場も、お母さんの悩みも知らない男性陣が検討して決定していく。ここにもやはり女性の意見があったらいいのにと思います。

大谷私は女性達に“政治にも興味を持とう、宗教も知ろう”と伝えています。自分達もちゃんとメッセージを発信していない可能性もありますし、政治に対して無関心できたことのツケは、いつか自分達に回ってきてしまうので、興味を持つことはとても大事だと思っています。

日下部確かにそうですね。

大谷講師塾の参加者には、お坊さんもいらっしゃるのですが、「説法ももっと楽しく話したいし、葬式を待っているだけの坊さんにはなりたくない。生きるために使って欲しい」とおっしゃっています。

日下部そんな説法なら聴いてみたいですね。今後やっていきたいと思っていることはありますか?

大谷自分が成長していくこと、そして世界のことを伝えられるようになりたいですね。
例えば日本人の大半は20年前の中国の状況でイメージが止まっていると思います。現在の上海は、日本よりはるかに進んでいますし、ロシアでは、禁煙一つにしても日本より先進的な取り組みをしているなど、世界の成長スピードは思っている以上に速いです。
日本人はこれだけ世界各国への入国が許されていながら、パスポート取得率はたったの25%です。海外に行きたがらない人も多いですし、1度行ってから20年以上行っていない人も多い。ところが渡航者数は増えていますので、行く人は何度も海外に行っているということです。
日本はカッコつけてグローバル化、ダイバーシティと言っていますが、全く海外の状況を見ようとしない人が多い。外に出ないで日本にいるだけでは、グローバル化やダイバーシティとは言えないので、そこを埋めていきたいですね。
私が一番力を入れていきたいことは、大局として大きく世界を語ることもできるけれど、小さく現実的に目の前のやれることをきちんと語れる人間を養成したいと思っています。
それから、死んだらお金は持っていけませんので、高齢者は若い世代にお金を使ってあげて欲しいということを伝えていきたいですね。(笑)

日下部高齢者の貯金総額は国の借金以上だとか。

大谷私の研修を受けてくださった方の中に、遺品整理を仕事にしている方がいらっしゃるのですが、今まで1800件の遺品整理をしてきて、家の中から現金が出てこなかったのはたったの3件だけだそうです。しかもかなりの高額がタンスの中から出てくるそうですよ。
それなら生きているうちに気持ちよく使ってもらいたいし、交流できるような環境や地域も増やしていかないといけないと考えています。

日下部自分の子供や孫に残してあげたいという意識が強いのでしょうか?

大谷由里子

大谷“残してあげたい”ならまだいいのですが、不安だから貯めておくという人が一番多いと思います。
金さん銀さんの話ではないですが、CMに出演した際に、こんなに稼いでどうするんですか?と聞かれたら、「老後のためにとっておく」って答えたそうですからね(笑)

日下部実際に何歳で亡くなるか分かりませんから、100歳でも老後が心配なんですね。難しいところです。

大谷私は地域コミュニティが大事だと思っているので、もっと地域の活性化をしていきたいですね。

輝き続けたいのであれば常に旬であれ

大谷由里子

日下部とてもお忙しいと思いますが、自己管理はなにかされていますか?

大谷嫌なことはしない!です(笑)。自分がやらなくていいことは人に頼む。タイムマネジメントはとても大事だと思っているので、1分でも無駄にしないように心掛けています。

日下部食事には気を付けていらっしゃいますか?

大谷たまに飲み過ぎますけど、気をつけるように心掛けていますね。外食が多いので、お店や料理の質は結構こだわって選んでいます。

日下部人前に立つ仕事は穴をあけられませんし、信用にも繋がるので、体調管理は大事ですよね。

大谷本当に大事です。吉本のときもそうでしたが、芸人さんは穴をあけられません。ただ芸人さんは信用があっても売れるとは限りません。信用なくしても売れる人もいますから。

日下部芸人さんの世界では一発屋と言われる人もいますし、大変ですよね。大谷さんからみて、売れても消えて行く人と、そのまま売れ続ける人の違いってなんだと思いますか?

大谷“常に旬である”ということですね。情報を得るアンテナの張り方も違うと思います。例えば夜遅くまで飲んで帰り、翌日昼過ぎまで寝ているのと、朝早く起きて映画の1本でも観るのとでは、得る物も大きく変わってきます。

日下部売れている方は見えないところで小さな努力を積み重ねているんですね。“常に旬である”っていい表現ですね。

大谷それぞれの仕事に旬はあると思います。

日下部最後に人間力を上げるにはどうしたらよいのでしょうか?

 

大谷私は寛容性だと思っています。I’m OK. You’er OK.。相手の考えを全て取り入れる必要はありませんが、あんな考えもある、こんな考えもあると思えるかどうかがとても大事なことです。これが寛容性として人間力に繋がっていきます。寛容性がないからイライラしてしまうんです。

日下部もう一つ、自分らしさを磨くにはどうしたらよいですか?

大谷自分がもらったら嬉しい言葉を思い描き、その言葉を沢山もらうにはどうすると良いかを明確にして実践することですね。

日下部嬉しい言葉は?と聞かれても、すぐには思い浮かばないですね。

大谷私の場合は、研修という仕事に巡り会い「大谷さんに会えてよかった」と言われた時に、“私はこの言葉が欲しかったんだ。じゃあこの言葉をもっともらえるような生き方をすればいいんだ”と思えたんです。
これから先は、何をしているか分かりませんが、“大谷さんに会えてよかった”と思ってもらえるような仕事を今後もしていきたいと思っています。

日下部私もそんな人になりたいですね。今日は素敵なお話をありがとうございました。

大谷由里子・日下部淑美

日下部淑美からひとこと

プロジェクト型研修で何かを一緒に組み立てるというのは、一生忘れられない思い出として学びも多く、高校生の学園祭を思い出しました。学生時代の思い出というのは、間違いなくそこに何かを一緒に作り上げていた時間があったように思います。人が輝く瞬間が何かを成し遂げた瞬間だとしたら、小さくても何かを成し遂げる機会を増やせれば素晴らしいですよね。日々の小さな努力、小さな積み重ね、小さな達成感が、日々を輝かせていくのかもしれません。

会社データ 関連リンク

有限会社志縁塾

東京都中央区勝どき4-1-11 グレーシア勝どき1303

TEL: 03-5144-5711 / FAX : 03-5144-5712

代表者:大谷 由里子

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