武田 梨奈さんインタビュー

2024年の日本。ふたつの異なる世界の平和を脅かす謎のインベーダーを相手に、4人の美しきソードファイター達が正義と真実の為に壮絶な戦いを挑んでいく映画「少女は異世界で戦った」。
日本のアクション映画界に新風を巻き起こしたこの映画で、レイ役を演じた武田梨奈さんに、撮影でのエピソードやご自身の健康についてお話を伺いました。

リアリティのあるアクションがやりたくて

レイ(飛び蹴り)

── キレのあるアクションでその迫力に圧倒されました。アクションシーンはスタントもCGも一切なしだったそうですね?

はい、スタントもCGも一切使わず、自分達でやりました。

── 相当大変だったと思いますが、怪我はされませんでしたか?

今回はなかったですね。以前は骨折や脳震盪をおこして、病院に行くことも多かったのですが、今はアクションの稽古があって、週に3回マンツーマンで教えてもらっているおかげで、怪我をしなくなってきました。

── でも、擦り傷とかはたくさんできたのではないですか?

痣とか擦り傷は私の中では怪我ではなく、勲章です(笑)。3日前まではすごい痣があったのですが、治りが早いので、もうなくなってしまいました。

── ご自身が一番印象に残っているシーンや見所を教えて下さい

やはり一番はアクションシーンですね。吹き替えなしでやらせてもらっていますし、殺陣や空手、アクロバットもプロレス技もありますので。これまでの日本の映画ではあまりないような要素がたくさん詰まっているところが、一番の見所だと思っています。
それから、今回は日本よりも先に海外でセールスが始まって、逆輸入という形で日本上映が決まったのですが、富士山、忍者、アイドルと、海外の方が興味をもたれる日本文化や、放射能や震災など、日本が今一番敏感になっているテーマも盛り込まれています。ファンタジーでありながら現実感のある作品に仕上がっているので、是非、海外の方にも見てもらいたいですね。

── 武田さんのアクションを支えているのは空手だと思いますが、今も続けられているのですか?

今も道場に行ってやってますね。最近は自分の練習もするのですが、20歳を過ぎたので教える側に立つことも増えてきたんです。これまで教えることはあまりなかったので、苦戦しながらやってますけど、私が空手をやっていることで「自分も空手をやりたい」と言って道場に入ってくれた女の子もいたりして・・・そういうのは嬉しいですね。

── アクションのための鍛錬とか、体力づくりもされているんですか?

基本的な筋トレとか腹筋とか、それはもう、ほぼ毎日体を動かしています。家では当てる練習をよくするのですが、弟もアクションをしているので、お互い蹴りあったりしています(笑)
日本のアクションは当てるフリでリアクションをとったりするのですが、私は割と当てるアクションをやっているんです。ジャッキー・チェンさんも当てるリアリティのあるアクションをやるので、私もそんな生身のアクションをやりたくて。それが私の武器だと思っているので、他の女優さんにはできないことをやり続けたいと思っています。

── セリフを覚えるのはいかがですか?

学生時代は勉強大嫌いで、暗記も苦手で、空手バカみたいな生活を送っていたんですね(笑)
セリフは覚えようと思うと本当に覚えられなくて、見て読むより、声に出して歩きながら体に染み込ませる感じで覚えていますね。
アクション演技も練習はするのですが、全部覚えないようにしています。全部覚えてしまうと、次はこっちからパンチがくる、次はこっちから蹴りがくる、と先に読んでしまう。それを映像で見ると危機感がないことがバレてしまうので、アクションもセリフも完全に覚えきらずにやっています。

4人(戦い)

「可愛い」より「強い」と言われるほうが嬉しかった

iDolls

── 今回はアイドル役もやられていましたがいかがでしたか?

一番自分とかけ離れているので、アイドル役が一番難しかったです(笑)。練習は1日だけで、しかも撮影前日に振付と歌を教えてもらって、みんなは1時間くらいで振り付けもすべて覚えたのですが、私だけ覚えられなくて・・・。手を覚えたら足を忘れちゃうとか、本当どうしようって思っていたんですが、加弥乃ちゃんに助けられて乗り越えられました。

── 華奢でアイドルみたいなのに、実は激しいアクションもできる。このギャップが武田さんの魅力だと思いますが、「可愛いね」と言われるのと、「強いね」と言われるのではどちらが嬉しいですか?

「かわいいね」って本当に言われたことがなくて・・・以前は「強いね」とか「かっこいいね」といわれる方が嬉しかったですね。武道をやっているせいか、小さい頃から褒められて育ってないので、私の性格を知っている空手の先生やマネージャーは、あえてガツガツ言って下さいます。逆に褒められると嬉しいですけど、何て返していいか分からないんです。

── 空手以外で女子的な趣味はありますか?

それがないんですよ(笑)。休日はジムか映画館に行くか、牧場に行くか。
牧場は朝霧高原によく行くのですが、ふれあい広場があって、羊や山羊とふれあったり餌を上げたりできるので、何時間もいたりします。実は丸一日オフがあっても、友達と遊びに行ったりしてしまうと不安になるので、休日でも仕事に関わることに取り組むようにしているんです。

明日の朝、何食べよう?って考えながら寝るんです

武田梨奈

── 毎日お忙しいと思いますが、睡眠時間はとれていますか?

いつも12時くらいから2時くらいまで映画を見て、それから寝ています。撮影が入っていると、寝る時間も4時間くらいになるのですが、映画を観ることが自分の栄養補給になるので。本当はよくないですけど、寝る時間が勿体ないと思ってしまうんです。

── これまで大きな病気などはしたことありますか?

撮影で骨折くらいですね。風邪もあまりひきません。
いつも気が張っているせいか、風邪が引いても気づかない(笑)。治ると思うと、寝れば治ってしまうんです。

── 食事には気をつけていらっしゃるのですか?

今までは食事に全く気を使ってなくて、爆食するタイプだったんです。炭水化物が大好きでチャーハンをおかずに白米を食べるとか(笑)。運動しているから大丈夫だと思っていたんですね。ところが健康診断で「C」判定が出てしまい、医師に少し食事を考えて下さいと言われてしまいました。
以前は12時過ぎてもラーメンとか食べていたんですが、最近は食べる時間に気をつけて、量も茶碗に3~4杯だったのを1杯だけにしています。

── 仕事の都合で、うまく食事がとれないときはつらいですね。

そうですね。でも夜寝る時が一番楽しみです。明日の朝、何を食べよう?って(笑)
それから、最近はオーガニックに凝りはじめたんです。別の映画の撮影現場がオーガニックブームで、共演させていただいた石原さとみさんが、とてもオーガニックに詳しくて。化粧品も食べ物も、オーガニックにすれば肌も全然変わるよって言われて、最近は興味をもってネットで調べたりしています。

── 今までにダイエットをされたことはあるのですか?

一回だけあります。このお仕事を始めた頃、オーディションに行ったら、みんな細くて、かわいくて・・・。自分を見ているのが嫌になるくらい、すごくナイーブなった時期がありました。
丸1日ごはんを抜いことがあったのですが、1日食べないだけで立ちくらみがして、アクションの稽古も毎日あったので、やっぱり食べないとだめだと思い、今は普通に食べるようにしています。

── お仕事柄、体調管理は大事だと思いますが、健康のために食べているものや、やっていることはありますか?

野菜を摂るようにしています。現場入るとお弁当になので、ホテルに宿泊のときも近くのスーパーで野菜を買って、冷蔵庫に入れておいて食べるようにしています。
それから、病気もそうですが、気持ちがとても大切だと思うので、部屋に籠るよりは外の空気を吸って、ちょっとでも体を動かすようにしています。エステに行かないし、あまりお金をかけて健康のために何かをするということはないですね。

監督&キャスト

自分にしかできない“オンリーワン”の存在になりたい

武田梨奈

── 憧れている俳優さんはいらっしゃいますか?

武田鉄矢さんが好きですね。女優さんなら志穂美悦子さん。日本のアクション女優という世界を作り上げた人ですので。

── 今後の目標やチャレンジしたいことがあれば聞かせてください。

お芝居やアクション、映画が大好きなので、いろいろな作品と出会って、関わっていければと思っています。
「ハイキックガール」という映画で、初めて主演をさせていただいたとき、監督に「お前よりかわいい子も、スタイルが良い子も、演技が上手な子もいっぱいいたし、魅力的な子もたくさんいた。その中で比べたら武田梨奈は全然下だった。でも武田梨奈にしかもっていないものがあったから、お前を選んだ」って言われたんです。
私は他の人に勝てないものが多い分、自分の持っているものを伸ばして、代わりのいない“オンリーワン”の人間になりたいと思っています。

「少女は異世界で戦った」予告編

少女は異世界で戦ったポスター

映画「少女は異世界で戦った」

2014年9月27日(土)新宿バルト9ほか、全国順次公開
  • 原案・監督:金子修介
  • 脚本:小林弘利/白土勉
  • 出演:花井瑠美 武田梨奈 加弥乃 清野菜名 / 岡田浩暉 金子昇
  • 主題歌:「ウィークエンドは殺しのアイドル」
    arm candy(Produced by agehasprings)
  • 制作・配給:MAMEZO PICTURES
  • 配給協力:エフエムピクチャーズ
  • 製作:「少女は異世界で戦った」製作委員会
  • 2014年/日本/カラー/97分/シネスコ/デジタル5.1ch
  • ©2014「少女は異世界で戦った」製作委員会
  • 公式HPTwitter(@mamezo17)YouTubeチャンネル

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