身近な人たちへの愛情と好きであることが良いものをつくる原動力

ウィル企画株式会社 代表取締役

西村 美登里

自身のアトピー経験からアロマや整体を学び、天然由来の成分とアロマを組み合わせた自然派商品を世に出してきた西村さん。78歳になった今でも精力的に仕事をこなし、やりたいことがまだ200はあるというそのバイタリティの源とは?

主人の髪を何とかしたいという思いで作った「記憶のアロマシャンプー」

西村 美登里

西村 美登里(にしむら みどり)

ウィル企画株式会社 代表取締役
医薬品の原材料メーカーで経験を重ねた後、自身のアトピーの改善と家族の体調管理のためにアロマやハーブ、整体を学び、“好き”だからこそ成し得た意義のある自社製品を開発。アロマ教室による人材育成や新商品の開発など、78歳の今でも精力的に活動し続けている。

日下部ウィル企画という社名にはどんな思いが込められているのですか?

西村ウィルは“やろう!”という意思を表しています。また主人が企画が得意なので「ウィル企画」となりました。

日下部“やってやる!”という熱意が伝わりますね。

西村私も78歳になり、ようやく自分が何者なのか分かってきたくらいで、そんなに凄い人ではありませんよ。

日下部ようやくですか?それにしてもお若いですね。西村さんとはある展示会でお会いし、「記憶のアロマシャンプー」のサンプルをいただいたのが、この対談に繋がるきっかけですね。
私はずっとオーガニックや自然派のシャンプーを使用してきましたが、これまでシャンプーで感動したことは一度もありませんでした。でもこの「記憶のアロマシャンプー」にはときめいてしまいました!このシャンプーはどのようにして生まれたのですか?

西村主人の髪がだんだん薄くなっていくので、なんとかしなければと思いまして(笑)。最初は育毛剤を開発してみたのですが、なかなか思うような結果が得られませんでした。

日下部先ほどご主人にご挨拶させていただきましたが、しっかり髪が生えていましたよ?

西村育毛剤としての効果はありませんでしたが、このシャンプーで髪が蘇りましたね。
特殊電解還元性イオン水配合により真皮層に水分が浸透し、視床下部まで届くとともに、ローズマリーやラベンダー、レモン、イランイランなどの成分により、自律神経を整えていきます。アロマ成分によって目、耳、鼻が刺激され、免疫系、ホルモン系などの経絡で活性化させる仕組みです。
また、シロダーラというインド伝承医療に使われる精油もブレンドしているので、自律神経のバランスを整えてくれます。私は整体師でもありますので、脳に刺激がある成分を入れることで、動脈、静脈、リンパの流れ、気の流れへの影響も考えています。

日下部なるほど。

記憶のアロマシャンプー

西村今はわからないと思いますが、私はもともと酷いアトピーで昔は入院が必要なくらいでした。
私は「ありのままの自分を活かす」というのが信条なので、
「記憶のアロマシャンプー」も髪をありのままに戻す、普通になるのが一番良いという考えで作りました。開発には5年かかりましたが、使い込むほどその良さを実感できるシャンプーです。

日下部1か月半使用させていただきましたが、地肌のコンディションがとても良いですね。シャンプーの開発に5年かかったそうですが、どんなご苦労がありましたか?

西村アロマの調合を私の方で確立し、製品の仕様をメーカーさんに伝えましたが、私は何度も自分のこだわりを伝え続けてきただけです。そのこだわりをメーカーさんが継続研究してくれて、様々なノウハウで形にしていただきました。
このメーカーさんは、本来うちのような小さな会社とは取引しないレベルの会社なのですが、社長さんとのご縁もあり、良くしていただいています。好きなことを形にするためなら、どんなことも苦労にはなりませんよね。

日下部西村さんは医薬品の原材料メーカーでお仕事をされていたとのことですが。

西村はい。自分が納得できない、意味のないものは作りたくないという思いは、この会社で原材料のこだわりをしっかりと勉強させてもらったことが大きいですね。

日下部ご自身で商品開発するにあたり、相当勉強されたんですか?

西村香りの調合については(社)日本アロマ環境協会のインストラクターです。でもそれも自分を含めた身近な人のためです。整体は主人の腰が悪くなったことがきっかけで学び始めましたし、自分の膝が痛かったので膝クリームを作りました。また、うちの商品に私の孫の名前から取った『あかり』というクリームがありますが、孫が乾燥でかゆいというので作りました。

日下部身近な人たちへの愛情が、本当に良いものをつくる原動力になるのでしょうね。農家の皆さんも農薬の問題もあって、自分たち家族が食べる分は出荷するものとは別に作っているそうですよ。
ところで、アロマを学ぶきっかけは何だったんですか?

西村以前学習塾を経営していた頃、私は太っていたのですが、アトピーで行った病院の先生がダイエットによい薬草を紹介してくださったのがきっかけで、アロマやハーブの勉強にハマっていきました。アロマにはかなりこだわっていて、精油毎に仕入れる原料メーカーを変え、全て自分が納得した最高のものをセレクトしています。これを揃えていくのに20年以上かかりました。
痛みにラベンダーといっても、症状が出ている場所によっては別のものが必要だったり、ブレンドした方が良い場合もあります。そういった判断をするのも私の仕事です。

アロマオイル

日下部アロマを追求していないと真似できないことですね。

西村精油のプロフィールはもちろん、整体の技術、深層心理、さらには人間学や体質学も理解していないと難しいですね。
酷いアトピーだったこともあって、人工的なものではなく自然治療が好きなんです。必要なものは出来る限り自分で作ることにこだわっていて、レモンを乾燥させてハーブとして使用したりします。

全ての商品にストーリーがある。妥協できないこだわりへの挑戦

日下部淑美

日下部 淑美(くさかべ よしみ)

BODY INVESTMENT代表
フードエリート / 真実の予防医学食研究家 / 管理栄養士

プロフィール

日下部初めて開発したのはどんな商品ですか?

西村初めて開発したのは減糖葉(ギムネマ)のスチックが始まりで、医者が開発した糖尿病ダイエットおからパンに関わり、累計で100万食近く売りました。

日下部すごいですね。これまで開発された商品に洗顔フォームがありますが、先日から私も使用させてもらっています。独特の弾力のある泡で、とても気持ち良いです。そのままパックもできて、洗いあがりがワントーンあがります。泡の切れもよくて不思議な感触です。

西村「雪花ジェンヌ」という商品になります。キメが細かい泡で肌の中まで浸透して、クレンジングもできる生せっけんです。シャンプーが出来るまでは一番売れていた商品になります。使い続けると成分が肌に浸透しやすくなるので肌感触が変わってくると好評を得ています。使用感を実感していただきたいので、試しにこの商品を使ってハンドマッサージをやって差し上げますね。

日下部他にはない感触と効果で本当に素晴らしいです。こだわられているのがわかります。

西村日本の森の成分で作った「森の精」という洗剤があるのですが、この商品の成分である樹液は抽出方法がとても重要で、樹の表面だけを傷付け、そこから出てくる樹液を抽出したものを使用しています。
このように抽出された樹液は傷口の治療に効くと言われていて、抽出部位や抽出方法によって期待できる効果も変わってくるんです。これが精油のプロフィールです。
森の正常化、安らぎ、癒しなど、森が持っている意思や要素が入っていなければ人は癒されません。だから伐採した樹木から抽出したものは使えませんし、それがいずれまた循環して森に還っていくのですから、商品に余計なものを入れることなんかできません。
うちの製品には全てそういうストーリーがあり、それくらいこだわりを持って作っています。

日下部理にかなっていて、面白いですね。思いが製品に詰まっています。西村さんが今でも開発を続けられるモチベーションって何ですか?

西村単純に好きなんだと思います。アイデアが山ほど浮かんできますから。

日下部展示会でお会いしたスタッフの皆さんは、西村さんのお弟子さんですか?

西村うちに通ってくれているアロマの先生方で、イベントがあると手伝いたいと申し出てくれます。

日下部みなさん本物を探して西村さんのところに辿りついたのでしょうね。

西村そうなのかは分かりませんが・・でも自分が作った商品の成分だけは誰にも負けないという自負はあります。

西村 美登里

日下部そう言い切れるのは素晴らしいことですね。

西村いつもうちの商品を沢山売ってくれている方がいるのですが、先日一人の人を傷つけてしまいました。残念ですが、そういう方にはうちの商品は売れませんとお断りしています。
組織販売のように大量に売ることができる人もいますが、それでは何かが狂っていきます。売りつけるような物ではありませんからね。

日下部そういうところは共感できますね。私も肌が弱いのですが、なかなか良いものに出会えなくて。良いと言われるものは沢山ありますが、結局宣伝が上手なだけで、実際に購入してみるとやはり荒れてしまうことも結構あります。いくらでも良い物風に見せることもできるのに、西村さんはそういう宣伝をされていませんね。販売でのご苦労もなどはありますか?

西村販売はあまり上手ではありませんので、常に悩んでいます。でも自分らしく、理解してもらった人にだけ売っていきたいですね。

日下部本質を追求して生み出した商品ですから、販売にもこだわりがありますよね。

西村なんだかんだ会社も潰れず、30年以上も商品開発を続けてこられましたし、購入してくださるお客様もいる。これは本当に有難いことですね。

日下部人間関係を築くって大事ですね。こだわりながら会社を継続させていくのは大変だと思いますが、やめてしまおうと思ったことはありますか?

西村ありますよ。でも“好き”という思いの方が優先しちゃうんです。

日下部どのようなことがあったんですか?

西村今は女性も頑張っている方が多いので、そんなことはあまりないと思いますが、昔は男尊女卑が酷くてよく男性にいじめられました。ちょっと目立つと足を踏まれたり・・でも絶対に喧嘩はしませんでした。

日下部何か言いたくなったりしなかったのですか?

西村そういうときは、自分が悪いからいじめられるんだ・・と思うようにしていました。良し悪しの問題でもないんですが、相手も負けて悔しいからいじめてくる。でも既に勝負はついているので喧嘩相手にもなりません。

雪花ジェンヌ

日下部そう思えるのはすごいと思いますが、嫌な思いはしますよね。

西村一晩寝て忘れるようにしましたが、アトピーになる人は神経が細いみたいで、やはり落ち込みましたね。自分の性格は自分自身でしかコントロールできないように、商品の出来が悪かったり、うまく売れないなど、物事の結果は全て自分を表しています。全て自分の責任なんです。だからもし商品に対して苦情が出るということは、私に問題があると思っています。

78歳になった今もやりたいことがまだ200くらいある

西村 美登里

日下部10年後にはあの世が住所になっているとおっしゃっていましたが、ご自身の健康で気をつけていることはありますか?

西村10年くらい前に糖尿病になりましたが、今は問題なくコントロールできています。カロリーを調整するための宅配の食材を利用することもありますが、基本的に食事は全部自分で手作りしています。大根をはじめとした野菜、梅干し、漬物、タレなど、食材も自分でつくっていますよ。
今度、日下部先生に食事の摂り方を教えてもらいたいですね。

日下部私でよければぜひ。食事は健康的なものを取り入れていて素晴らしいですね。今後、何かやっていきたいことなどはありますか?

西村200くらいあります(笑)。

日下部200ですか?すごいですね。具体的に教えてください。

西村首が神経をコントロールしていると信じているので、神経をコントロールできる精油とクリームをつくりたいですね。

日下部首神経クリームなんて聞いたことないですね。

西村当たり前のものは作りたくありませんから(笑)。首に塗ることで成分が神経経絡と脳に届きやすくなり、自律神経を整えて、副交感神経の働きが良くなると考えています。

日下部いいですね。アロマやこういったクリームは美容と健康の両方に繋がりますよね。最近は美容に目覚める男性も多いようですが、男性のお客さんも増えていますか?

西村はい。男性の社長が保湿クリームを気に入ってくれたり、先日は理学療法士の男性が勉強しにきて、アロマを本格的にやりたいと言っていました。アロマと一言で言っても、いろいろな分野があります。例えば、アロマそのものを作る、アロマの知識を教える、それから空調アロマといって空間に匂いをつける仕事や、香水のブレンド、ハーブ系の飲み物や食育アロマというのもあるように、どの分野で活躍したいのか、何をしたいのかで学び方も変わってきます。
日本アロマ環境協会では食育として、クッキーに押し花をプレスしたアロマクッキーを作っているのですが、このクッキーは私も是非つくってみたいと思っています。体に効くクッキーなんていいですよね。

日下部確かに多岐にわたっていますね。それにしてもクッキーに押し花は可愛いですね。

アロマオイルによるハンドマッサージ

西村弊社のある千葉県野田市は醤油の町なので、アロマ醤油も作りたいと思っています。

日下部アロマ醤油ですか?

西村徳島に「シークニン」というみかんの品種がありまして、その成分が脳に良いと言われています。その成分を使った「シークニン醤油」という商品のように、アロマと野田の醤油を組み合わせられたら面白いですよね。

日下部すごい発想ですね。

西村そのへんに生えているぺんぺん草でも何か作れますよ。ヨモギでもラベンダーでも抽出した場所が茎なら体に、花なら頭に、根っこなら足に効くというように、抽出場所によって人体に効く場所も異なります。そんなことも考えながら使ってみるのも楽しいですよね。

日下部残り10年とおっしゃっていますが、200個やりたいことがあるとなると、10年間忙しいですね(笑)78歳にしてまだ走り続けているなんて素敵です。

西村この年になると欲もあまりありません。ただ周りの人に幸せになって欲しい・・そんなことしか考えなくなりますね。

日下部若い人に何かアドバイスをするとしたら?

西村「喜び、感謝し、祈る」この3つです。いじめられることも、仕事をすることも、病気になることも、全て自分に必要だから与えられています。全ての経験に喜んで応え、感謝してほしいと思いますね。祈るというのは、自分に言い聞かせるということです。結局、自分で言ったことが自分に返ってきますから。
私も78歳になってようやくわかってきました。知識と経験を積んでやっとここまで辿り着けましたので、これから更に良いものが出来ると信じています。

日下部それは楽しみですね。ちなみにご家族の方には何か言われたりしますか?

西村病気や骨折で入院することもありますし、夜中までパソコンをいじったりしていますので、娘や息子からは「仕事はもうやめた方が良い」と言われました。でも最近は「お母さんから仕事を取り上げたら死んでしまうので、お好きにどうぞ」と言ってくれています。諦めたようですね(笑)。
家族にはとにかく80歳まで待ってくれとお願いしています。それまでには仕事を周りに振って、ここでは注文と開発のみという状況を作り上げるつもりです。

日下部78歳にしてそのバイタリティは本当に素晴らしいです。

西村“好き”以上のものはありません。人の為にやり続けていると言いたいところですが、それは半分嘘になってしまいますね。本当に好きだから・・みんな誰でもそうだと思います。

日下部“好き”という思いはすごいですね。私がシャンプーを使用して何かが違うとときめいたのは、きっと西村さんの“好き”という思いと、こだわりの効果が成したものかもしれません。
今日は素敵なお話をありがとうございました。

西村 美登里・日下部 淑美

日下部淑美からひとこと

好きこそ物の上手なれ。西村さんはこの言葉を証明してくださっている方。ありのままの状態に戻すことで、失ってしまった力を蘇らせる。ありのままの大切さを我々は忘れてしまっていたのかもしれません。
人は“自然から離れるほど病気になる”と言われています。自然の摂理を理解することは食事もアロマも同じ。間違いなく自然は人に優しく、癒してくれる存在です。
そんな自然を人はもっと大事にしていかないといけませんね。

会社データ 関連リンク

ウィル企画株式会社

千葉県野田市三ツ堀988-12

TEL: 04-7138-3036 / FAX : 04-7138-3577

代表者:西村 美登里

ウィル企画株式会社

記憶のアロマシャンプー

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