難しいことを面白く伝える。読者に寄り添える漫画は人に優しい

漫画家

つだ ゆみ

子供の頃から漫画家を夢みて、OLから漫画家へ転身したつだゆみさん。OL時代の社会経験が今の漫画スタイルにも活かされています。漫画の魅力や漫画だからできることなど、漫画への想いをお聞きしました。

夢を忘れかけていたOL時代。交流会での出会いが人生を変えた

つだ ゆみ

つだ ゆみ

時事ネタマンガ、雑学マンガ、似顔絵を得意分野とする。ご主人でもある作家の津田太愚氏とともに会社を立ち上げ毎年大河ドラマの主人公における本を出版するなど、人気漫画家として26年の実績を誇る。

日下部漫画の1ページを仕上げるにはどれくらい時間がかかるのですか?

つだ最後の仕上げだけで1ページ3時間くらいです。でもそこまでにも時間かかりますし、書き始めるまでの構想などをイメージしている時間を考えるとはかりきれないですね。

日下部果てしない作業ですね。

つだ本当に果てしないです(笑)でも描き始めれば、終わりは見えてくるので、見えるようになるまでが大変です。

日下部最初から就職せずに漫画家になられたのですか?

つだバブルの頃に就職しています。若ければなんとかなった時代だったので、普通にOLをしていました。
高校では美術部だったのですが、競争するのが苦手で、上手い下手がはっきりでることに腰がひけていました。上手い人は山ほどいたので、大学はあえて文学部に行きました。

日下部でも好きだったんですよね?

つだそう、教科書の隅にパラパラ漫画を描いていたタイプです。ノート提出なんて言われたら、必死で消していました(笑)

日下部私もパラパラ漫画を描いていましたが、レベルが違うと思います(笑)

つだ私はオチが欲しい人なので、そこがたぶん漫画家になるかどうかの違いなのかもしれませんね。人が想像しないことを描きたいと思っちゃうんです。

日下部そうなんですね。OLから漫画家になろうと思ったきっかけは何だったのですか?

つだもともと漫画家になるつもりで東京に上京してきたのですが、すぐになれるわけもなく、ふらふらしていたんです。当時は就活も今みたいに頑張らなくても良い時代でしたので、半年間フリーターをしていました。やっぱり漫画家になりたくて、普通に就職する気になれなかったんです。

日下部かなり以前から漫画家志望だった証拠ですね。

つだそうなんです。子供の頃からなりたくて、紙と鉛筆があれば漫画を描いている子供でした。

日下部アスリートもそうですが、子供の頃からなりたいものが明確な人は、夢をかなえるんですね。

つだ小学校の頃は物語を作るのも好きで、脚本を書いてみんなに舞台で演じてもらったこともありました。

日下部話は戻りますが、フリーター時にはバイトしながら漫画を描いていたのですか?

つだアパート代も稼がないといけないし、結局バイトに明け暮れてしまっていたんですよ。そんな状況なら就職しなさいと親にもいわれて就職したんですが、A型で適応しちゃうタイプなので、9年もその会社でお世話になってしまいました。

日下部その頃は漫画を描いていたのですか?

つだそれが、まったく描いていませんでした(笑)。でも、宣伝広告の部署だったので、漫画だけの世界に行くより良かったと思っていて・・・社会人をすると経験や考え方も培われますよね。

日下部私もそう思います。経験が糧になっていますよね。9年間勤めて辞めたきっかけは何だったんですか?

つだ9年も勤めていると“このままでいいのかしら?”“定年までここで勤めるなんてことになったらどうしよう”とか、だんだんといろいろ考えるようになって。そんなときに、自分は漫画家になりたかったんだよな・・・って思い出し、社内ではなく外部の人との交流を求めて異業種交流会に参加するようになりました。
その交流会で漫画の編集者さんとの出会いがあり、交流会自体の主旨は難しい内容だったんですが、漫画と聞いて嬉しくなって、マニアックな話で盛り上がってしまって(笑)。その人とその後も2回くらい会うことになり、結局結婚することになりました。それが今の主人です(笑)

日下部え~。凄い!!ご主人はもともと出版社の方だったんですか?

つだそうなんです。彼も漫画好きで、それで漫画の編集をやり始めていたところだったんです。

日下部もう運命の出会いですね。しかも寿退社なんですね。

つだゆみ著書

つだ彼も寿退社してしまったので、二人で独立して「有限会社だぶるす」という会社を起こしました。
私は漫画好きというだけでアシスタントもしたことないし、何も分からない状態だったので、彼にいろいろと教えてもらって・・・彼は私のメンターだったんですよ。

日下部ご主人と毎年大河ドラマの本を共作されていますが、他にも共同著書はあるのですか?

つだ結構共同で作っています。どちらの名前でも、結局は会社契約なので、協力はしてもらいますし。

神のような漫画家にはなれないけど、自分のような漫画家も必要だと思った

日下部淑美

日下部 淑美(くさかべ よしみ)

BODY INVESTMENT代表
フードエリート / 真実の予防医学食研究家 / 管理栄養士

プロフィール

日下部画風もいろいろなバリエーションがあるんですね。

つだ昔は何でもやります!何でも描きます!とやってきましたが、20年以上も続けてきたので、仕事は相手からも選ばれるように、自分自身でも選ぶようにしています。
文章ならなんでも書くというのはライターで、作家は書きたいものがある人のことだと思いますが、私はデビュー当時、名刺に漫画家・イラストレーターって両方を併記していたんです。
そうしたらある先生に、漫画家だったら、漫画家だけにしろと言われて、それがすごく心に響いたんです。当時はいろいろ仕事が欲しいから可能性のある肩書を全て書いていたんですが、漫画家だけに絞りました。

日下部ご主人との出会いから漫画家として一歩を踏み出したわけですが、きっと頭のどこかにずっと漫画家への思いがあったから、引き寄せの法則が働いたのでしょうね。

つだ潜在的にあったのかもしれでないですね。腰が引けていることもあって、漫画賞などにも応募したことがないし、そこまで積極的にはやっていなかったんです。

日下部賞より仕事になっていることのほうが大事ですね。

つだ私は常識的なルートを辿っていないので、すべて我流なんです。彼は漫画家ではないので、“漫画とは”ということを教えてはくれましたが、描き方は誰からも教わっていません。自己流なので、他の方に描き方などを聞くと、“へ~そんな風に描くのね!”なんて驚くことも多いんです。

日下部実際に仕事として漫画家になってみて、漫画家に対する捉え方に変化はありましたか?

つだ昔は漫画家といえば、少女漫画に連載しているとか、ワンピースとかドラゴンボールとかの漫画家さんのように、神のような存在になることを目指すイメージだったんです。でも私がしている仕事はそうではないので、漫画家といってもいろいろな人がいていいんだと思うようになりました。自分は神のような漫画家にはなれないけど、自分のような漫画家も必要だなって。自分の能力に見合ったポジションを見つけられたと改めて思いますね。

日下部私はゆみさんにお会いして、漫画家という範囲の広さを知りました。

つだ以前、時事ネタを一コマ漫画にしたものを朝日新聞で1年間連載していて、難しい経済の話を、漫画にすることで分かりやすくなるので、評判も良かったんです。
最初はこれも柱になる仕事だと思って頑張っていたんですが、やっぱりそんなに長くは続かかなったですね。毎週毎週大変でしたけど(笑)

日下部私もお陰様で出版に向けて本の執筆をしているのですが、もともと右脳派なので文章を書くのが苦手なんです。たぶん左脳派の人が文章を書くことの10倍は大変だと思うんです。自分でいうのもなんですが、かなり努力しています。そんなこともあって、文章を書くときに休憩がとても多いんですが、ゆみさんはどうですか?

つだ私は描き始めるとけっこう長く描いてられますが、描き始めるまでに時間がかかります。それと、締め切りまであと少しとなると頑張れる。すごい集中力ですよ(笑)

つだ ゆみ

日下部私もです。そうなると集中するし早いです(笑)。

つだお尻に火がつくとできる“やればできる子”で。だったらもっと早くやろうよって思うんですけど(笑)
今も締め切りまであと2週間で、お尻に火がついて燃えているところなんだけど、燃えているのになんか、座って火を消しちゃっているみたいで(笑)

日下部でもそれくらい火がついていても、気持ちに余裕があるほうがいいですよね。

つだそれはありますね。自分が生き生きしていないと、絵も楽しそうにならないし、読者に対する愛情が込められないというか・・・表情も悪くなるんですよね。

優しくて説得力があるのが漫画。漫画があるから面白く生きられる

仕事場風景

日下部漫画だからできることってなんですか?

つだ説得力ですね。説明なしで直球で伝わるのに、優しい。子供も漫画が好きですよね。深刻な重いテーマでも漫画なら笑いを入れて描けたりすることも漫画の力だと思います。それから、絵があるので言葉の壁を越えてストーリーを伝えることができますよね。

日下部漫画って凄い効果がありますね。つださんにとって漫画とはどんな存在ですか?

つだ漫画がないと炭酸飲料の気が抜けた感じで、人生に刺激がなくて腑抜けになっちゃいます。漫画があるから面白く生きられるし、読者のみなさんにも面白く生きてほしいので、漫画がそんな役割を担えたら嬉しいですね。
画家の芸術作品は見る人によっては理解が難しいですが、漫画は読者に寄り添い、わかってほしいと思い描いているので、見る人に優しい。それが漫画だと思うんですよね。

日下部画家の絵は自己主張ですよね。それを見た人が紐解くみたいなところがありますが、漫画は読み手が理解できるように描かれている。漫画家さんは優しくないとなれませんね(笑)

つだ漫画家には優しすぎて、いい人すぎる人が多いかもしれませんね。みんな子供みたいにピュアな人ばかり(笑)

日下部気分転換はどうされているのですか?

つだ言われてみると気分転換のほうが多い気がします(笑) 飲んだり食べたりも好きだし、人と会うことも好きです。それから一時期は宝塚にはまり、ファンクラブにまで入りました。劇場に観に行ったり、DVDも毎日のように観ていましたね(笑)

日下部DVDを1本見てしまうと2時間はかかりますよね?

つだいつ仕事しているんだろう?(笑)いい気分転換になっていました。楽しいことしていないとダメになっちゃうんですよね(笑)

日下部ストレス解消以外に健康法などはありますか?

つだ信頼する管理栄養士の日下部さんのお勧めするサプリをとっています(笑)。それからストレスを溜めないようにしています。コツは「気がつかない」「気が利かない」「気にしない」ことですね。ストレスが病気をつくるらしいので、本当に気にしないことが大事だと思います。

日下部自分で気にして、勝手にストレスをつくってしまう。ストレスがかかると免疫力も落ちるといいますよね。ゆみさんのストレスを溜めないコツを太字で書いて流行らしたいですね(笑)。

日下部ゆみさんが好きな漫画家さんを教えてください

つだ東村アキコさんですね。セリフが効いているというか、表現が上手いんです。それと手塚治虫さんは神の神ですね。里中満智子先生にはよくお目にかかるのですが、一番尊敬しています。

日下部漫画家さんになりたい人に向けた人へのメッセージをお願いします。

つだ今はメディアを使って自分で発信できるので、とにかくどんどん描けばいいと思います。この仕事に年齢の締め切りはないので、思い続ければ必ず描ける。描きたいという思いが大事ですね。漫画家は資格があるわけではないので、自分でどんどん名刺をつくって名乗っていくことも大事です。

日下部最後にこれからの展望を教えてください。

つだ20年以上描いていると、自分のやりたいテーマというのが明確になってくるので、それを描かせてもらえるように提案を持っていきたいです。さらにそれを良い本にして一度はベストセラーを経験したいですね。一人でも多くの方に読んでほしいです。

日下部ベストセラーは認められた結果ですし、多くの方に影響を与えたという証ですからね。ゆみさんの漫画は、古事記のような難しくて学びづらい内容を分かりやすく表現していて、とても有益な漫画だと思ってます。

つだ面白いオリジナルの漫画を描く人はたくさんいますので、それはその方に任せて、私は古事記や歴史ものなど理解しにくいけど、実は面白いものや情報を漫画にして多くの人に伝えていきたいです。

日下部ありがとうございました。いつかゆみさんと私の共著ができることを願っています(笑)

つだ ゆみ・日下部淑美

フードエリートからひとこと

多くの経営者の方のインタビューをしていると共通していることがあります。
それは「志高く、想いを実現するまで諦めない」ということ。そしてとてもポジティブで明るい方ばかり。本当に神様が力を貸してくれるとするならば、いつも前向きに志高く世のために貢献しようとする人を助けるように思います。
すべては自分の思考が左右しているということですね。

会社データ 関連リンク

マンガ家 つだゆみ・作家 津田太愚 公式サイト

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