可能性を秘めたココナッツで世界から貧困をなくしていきたい

株式会社ココウェル 代表取締役

水井 裕

フィリピンを貧困から救いたいという想いから、ココナッツで産業を興したココウェルの水井社長。まだ日本でもココナッツがあまり認知されていない時代からその可能性に魅せられた理由とは?

脳幹出血で倒れ、2ヵ月で復帰できたのはココナッツオイルのおかげ

水井裕

水井 裕(みずい ゆう)

株式会社ココウェル代表取締役・ココナティスト。
途上国の環境問題を学ぶと共にそれ以上に深刻な貧困問題に触れ、大きな衝撃を受けたことをきっかけに「人と地球に優しい」ココナッツ製品の輸入販売、および製品開発を手掛けると共に、ココナッツ農家を始めとするフィリピンの貧困問題の解決にも貢献。

日下部このインタビューは社長のカラダ投資術というテーマで忙しい社長だからこそのカラダの管理方法、そして仕事における社長の想いなどをうかがっています。

水井実は去年10月に脳幹出血で倒れました。生まれつき腎臓が悪く、一生付き合っていかなきゃいけない持病を持っているのですが、どうしても血圧が上がってしまうので、本当は薬を飲んでいないといけないのに、薬が嫌で飲んでいなかったんです。普段は180まで上がるくらい血圧が高いのですが・・・。
会社は大阪ですが、ちょうどその頃東京の仕事も多くなっていたので、一人で1年間東京に住んでいたんです。ある日、取引先の方と食事をしていたら、悲しいわけでもないのに涙が止まらなくなって、帰宅後もまた涙が出るんですよね。そのうちに吐き気と眩暈に襲われ、気を失ってしまったんです。目が覚めたら天井が回っていて、これはヤバいと思ったのですが、救急車を呼ぼうにもうまく喋れないので、実家に電話をして、なんとか親に救急車を呼んでもらいました。
そのまま1か月入院し、その後はリハビリにも取り組んで、幸いにも後遺症もほとんどなく、現在は普通に仕事もできてるようになっています。

日下部原因は何だったのですか?

水井血圧です。倒れたときは230くらいまで上がっていました(笑)

日下部それからカラダのことを気にするようになったのですか?

水井そうですね。血圧も気を付けていますし、食生活もかなり気を配っています。病院の先生がびっくりするくらい回復が早くて、リハビリも入れて2か月で完全に復帰できました。その間ココナッツオイルも摂っていたのですが、ココナッツオイルは脳に良いといわれますので、その効果もあったと思っています。脳幹はカラダ全部の中枢なので、目が見えなくなっていたかもしれないし、カラダも動かなくなっていたかもしれないんです。

日下部でも腎臓からきているんですよね?腎臓の薬は何かとっているのですか?

水井そうですね、腎臓がもともとの原因なのですが、薬は血圧の薬だけで、腎臓は食事のコントロールで塩分と多少のタンパク質制限をしています。

日下部水井社長のように血圧の薬が必要な方は、ある程度継続して飲んでいく必要があると思いますが、生活習慣で血圧が少し高めという方でも、一生血圧の薬を飲み続けてください、なんて言われてしまう方も多いんですよね。基準値は一律で決められていますが、本当は人それぞれ必要な血圧が違うものだと思うのです。必要以上に基準も引き下げられていることも問題だと思います。

水井僕もそう思います。僕のような血圧でも食事で調整して、極力薬の量は減らしたいと思っています。

日下部食事でコントロールをしているとなると、外食で塩分制限って難しいですよね。自炊されているのですか?

水井今大阪で一人暮らしなのですが、やはり外食が多いです。でも食事の回数が少なく、朝は果物やスムージー、ジュースとオイルくらい。昼は抜いているので、なんとかコントロールできています。

日下部とはいえ、外食だとなかなか難しいような気もするのですが。

水井だいたい行く店は自然食のようなお店で決まっているんです。

日下部なるほど、そうやって自己管理をされているのですね。

ゴミ山をあさっている子供達に衝撃。フィリピンを貧困から救いたい

日下部淑美

日下部 淑美(くさかべ よしみ)

BODY INVESTMENT代表
フードエリート / 真実の予防医学食研究家 / 管理栄養士

プロフィール

日下部フィリピンに留学されていたのですね。

水井はい、途上国の環境問題に関心があったので、フィリピンの大学で環境科学を勉強していました。学校の授業では、ゴミをどうリサイクルするかというテーマがあったのですが、フィリピンは焼却炉がないのでゴミがどんどん溜まっていくのですが、そのゴミ山が崩れて、何人もの人が亡くなった事故もあったんです。
貧困の象徴なのですが、ゴミ山を子供たちがあさって、鉄屑等を採取してお金に変えています。そしてゴミ山の近くで住んで、ゴミ山の近くで種を植えて野菜を作ったりしているんです。
学校の研修でそこを見に行ったのですが、このゴミ山をどうリサイクルするかという以前に、そこでゴミ山をあさっている子供達に衝撃を受けました。本当に劣悪な環境で、あちらこちらに煙も上がっています。でもゴミ山が無くなったらこの子供達は仕事がなくなってしまうので、どうしたらいいのだろうと思いましたね。
フィリピンのゴミ山は貧困の象徴になっていて、海外のNGOの支援で炊き出しがあるので、人も集まってくるのですが、そこに集まる人はみんな田舎から出てくるんです。田舎も貧しいので、仕事を求めて都会にやってくるんですね。
どんどん人が都会に集まるのですが、結局マニラに来ても仕事が見つからず、マニラ自体の失業率も高い状態です。路上生活者なども多く、結局ゴミ山に行きついてしまうのですが、そこには産業がないんですよ。そこで、周りにココナッツがたくさんあるので、これを活かせば産業になるのでは?と考えました。ココナッツ農家さんは、コプラというものを作っており、白い果肉を自分達で乾燥させて業者に売っています。それしか知らないので、それだけしか売られていなかったのですが、コプラは世界的も値段が下がっている状態です。
ココナッツは捨てるところがなく、砂糖もオイルも作れるので、もっともっと日本に紹介すれば広がるのではないかなって思い、2004年にココナッツ専門の事業をやってみようと起業しました。

日下部その当時、ココナッツは日本で認知されていましたか?

水井全然知られていませんでしたね。ココナッツオイルはここ最近注目されていますが、当時は全くでした。

日下部私は2009年くらいからココナッツオイルを使ったりしていましたが、さらにもっと前からココナッツオイルは石鹸の原料になるので、ココナッツオイルとパーム油を使って自分で手作り石鹸を作っていましたね。ココナッツオイルを調理でも使用していたのですが、これは飽和脂肪酸で酸化されないことが大きなメリットなんです。しかも動物性ではなく植物性ということもあったので。当時は中鎖脂肪酸として注目はされていませんでしたね。
最近はココナッツオイルで痩せるという売り文句がありますが、それだけではなく食事全体のコントロールとココナッツオイルの相乗効果なのに、誤ってとらえてしまっている方も多いですね。ココナッツオイルを摂っても痩せないと言う人もたくさんいますが、とり方やコントロールの仕方が間違っているんですよね。でも最近は中鎖脂肪酸の効果がいろいろ証明されてきて、糖尿病や認知症などへの効果もデータが蓄積され始めています。

水井実は最近、ある病院でがん患者向けの治療にココナッツオイルを活用した実験をしているところがあって、うちのココナッツオイルを提供させてもらってます。
糖を減らしてエネルギーをココナッツオイルでとって、ケトン体体質にする食事療法です。

日下部そうなんですね。今どれくらいデータがとれているのでしょうか?

水井まだ始まったばかりなのでこれからだと思います。

日下部そうですか。がん細胞は糖の代謝が激しく、糖を欲する細胞なので、糖が枯渇するとエネルギー不足が起こってがん細胞が縮小しやすいんですよね。ココナッツオイルは上手に活用するといいと思います。

大好きだったココナッツ。その素晴らしさに感動してのめり込んだ

水井 裕

日下部実際に貧困からフィリピンを救っていこうと思い始めた事業だと思うのですが、製品工場などはどうされているのですか?

水井基本的には現地で全て作っています。オイル自体は大きな設備はいらないのですが、そのままだと日本人の好むクオリティにはならないため、それなりの規模できちんとした工場と提携して作っています。
実は、クオリティの高いものとそこそこの精度のものと分けて2本体制にしていまして、JICAさんなどからも相談を受けるのですが、それなりの工場でないと、ある程度のクオリティにはなるものの、満足いくまでのクオリティにはならないんです。でもそれでは現地の産業発展にならないので、そのオイルを石鹸などの原料にするようにしています。
日本人のクオリティに合わせるのは、きっとどこの国でも苦労することだと思います。

日下部大きな工場でそのクオリティを教育して、維持できるようになるまでには、どれくらいの期間がかかったのですか?

水井今でもまだ継続中ですよ。油断するとすぐ質が落ちるので、定期的なテコ入れが必要です。

日下部そこまで想いをココナッツに託したのは何か理由があるのですか?それから起業は社会人になってすぐにされたのですか?

水井起業前に半年くらい社会人をしました。小さな会社でしたが、リサイクル商品などの環境商品を販売する会社で働きました。大学を卒業して、環境関係の第三セクターがやっている企業の展示場で1年くらい働いていました。
環境のことをもっと勉強したくて専門学校に行き、在学中にフィリピンに留学したのですが、帰ってきたら腎臓を壊し、入退院を繰り返して寝てばかりの生活だったため、しばらく働けなかったんです。少し体調が良くなって、友達が起こした会社で半年社会人として働かせてもらったのですが、頭に中にずっとフィリピンのことがありましたね。
自分自身、留学中からココナッツは大好きでよく飲んだりしていましたから、ココナッツのことを調べていくうちに“なんて素晴らしい植物なんだろう”と感動してココナッツにのめり込んでいきました。

日下部日本ではあまり認知がなかったと思うのですが、受け入れはどうでしたか?

水井全然ダメでしたね。溶けたり固まったりすることがネックで、お店は嫌がってどこも置いてくれなかったんです。お客さんが買って帰ったら固まっていたり、その逆もあったりで、クレームになりやすい商品だったんです。
大阪では当時フリーマーケットブームで、友達が古着を売るのに一緒に参加しないかと誘ってくれたんです。小さいスペースを借りて、段ボールを置いて、その上にココナッツオイルの商品を並べて販売をしました。最初は美容系商品として肌につけてもらって試してもらいながら売っていましたね。
まずはココナッツオイルを知ってもらおうという想いで、毎週土日は必ずどこかのフリーマーケットに出て販売するというのを繰り返していました。そうするとリピーターになってくれる人が出始めたり、ホームページを見てきてくれる人が出てきたり、お店をやっているから置いてあげると言ってくれる人が出てきたり、ちょっとずつ卸先が広がっていきました。

日下部そのフリーマーケットでの販売はどれくらい続いたのですか?

水井イベントは今でも継続してやっています。大きな展示会だけでなく、小さな展示会なども大事にしています。小さい会社ってお店をすぐ作ることもできないし、いきなり卸もできないですが、イベントはファンを作るにはとても良い場所だと思っているんです。お客さんにも直接想いを伝えられますしね。

ココナッツ商品ラインナップ

査定面談に「健康づくり」という項目を入れ、全員が健康目標を設定

オーガニックバター

日下部最近ココナッツオイルが日本でブームになり、奴隷のようにサルを働かせてココナッツを採らせて可哀想だとSNSに載ってました。

水井確かにタイの一部分では人間が木の高いところに登るのが危ないということで、サルを使うことがあるらしいのですが、実際はほとんどないですよ。フィリピンはないですね。
うちの会社にも問い合わせが結構ありましたが、うちではそういうことはありませんと説明して、安心して購入していただいています。

日下部確かにサルを利用するのは残酷なのかもしれませんが、昔は牛を使って田畑を耕し、車の代わりに馬を使っていたことを考えれば、うまく共存する方法を見出す考えも必要なのかもしれません。要は接し方なのだと思います。今でも牛は牛舎に閉じ込められ、子牛と離れ離れにさせられて、子牛に乳を与えるのではなく、人間が牛乳を奪っているわけですからね。

日下部貧困問題をなんとかしようと思っても、最初はそれほど仕事量が多かったわけではないですよね。その頃と比べて今はどうですか?

水井最初と比べれば比較できないくらい規模は大きくなりましたね。最初は僕一人でやっていましたから。

日下部一人でやっていたのは何年くらいですか?

水井最初の1年だけですね。そのあと、環境の仕事についたときの仲間が1人入ってくれて、8~9年目くらいまでずっと二人でやっていました。今その人は副社長です。

日下部昨年倒れるまで体調は大丈夫だったのですか?

水井そうですね。倒れるまではずっと問題なく動けていました。ただ多忙のマックスは、2015年1月にテレビの「世界ふしぎ発見」で取り上げられてからなんです。
休んだのが2014年の11月、12月の2か月だったんですが、ちょうどその頃取材のオファーがあり、その放送が1月にあって、うちの商品がテレビで放送されました。その直後から問い合わせが凄くて、3か月分の売り上げが1日で上がってしまったというくらいの反響でした。まさかそんなになるとは予想もしていなかったので大変でしたね。

日下部それは大変でしたが、うれしい悲鳴ですね。ところでココナッツは健康的な食材だと思うのですが、社員の皆さんにも健康意識などを持ってもらうなどの取り組みはされていますか?

水井年に2回査定面談をするのですが、その中に「健康づくり」という項目を入れていて、全員が健康目標を設定するようになっています。目標はそれぞれ何でも良いのですが、目標達成できるように取り組んでもらっています。

日下部たとえばどんな目標設定があるのですか?

水井たとえば、“体重を次の査定まで○㎏減らす”とか“休肝日を週に何日設ける”とか、“通勤時に歩く”とかですね。

日下部最近は「健康経営」という言葉もあって、企業も従業員の健康管理に積極的に取り組むようになっていますよね。ちなみに、社員さんの中で“もう健康です”という人はどんな目標を立ているのですか?

水井その場合は、何かについて学んでもらい、それを発表してもらうことにしています。カラダについて学んでもいいですし、使われている原材料について勉強してもいいですし。

日下部それは素晴らしいですね。やはり、“維持”という目標ではなくて、なんらかプラスになるような目標をしているわけですね。

水井そうですね。ココナッツオイルでのレシピを考えるという目標の人もいて、定期的に社内のキッチンで手作りのランチをしています。

日下部そうなんですね。本当素晴らしい取り組みだと思います。ちなみに残業は多いのですか?

水井忙しい時期は遅いときもあったのですが、残業は減らさないといけないので、1時間以上の残業のときは残業の申請をしてもらうようにしています。

日下部淑美

日下部そういう取り組みは素晴らしいですね。社員の方も気持ちの切り替えができますし、逆に仕事の効率が上がり、モチベーションも維持できそうですね。

水井それから、今年は社員を連れてフィリピンに研修に行ったんですが、やはり実際に行って現地に触れることで社員のモチベーションがグンと上がりましたね。

ココナッツの可能性をフィリピン以外の国でも広めていきたい

日下部社長のこれからの展望などを教えてください。

水井先週ラオスに行ってきたんですが、フィリピン以上にココナッツはあるのにオイルもシュガーも作り方を知らないんです。実は、ラオスから日本との友好のために像が送られたのですが、何か恩返しができないかと首相などが検討し、像の生育地域にはココナッツがたくさんあるので、ココナッツで産業を興すことができないかということになり、うちの会社に依頼がありました。
それでラオスに行き、オイルを作るための設備についてアドバイスをさせてもらいましたが、実はこれはラオスに限ったことではなく、他の国からも問い合わせが来るようになってきました。
ココナッツを植えることから始めるプロジェクトがあったりしますが、ココナッツの可能性をものすごく感じているので、必要としている国のプロジェクトにも関わっていきたいと思っています。

日下部凄いですね。今販売しているのは日本だけですか?

水井はい。日本だけです。

日下部ココナッツオイルは研究も進んでいるので、外国でもニーズがあるのではないですか?

水井ありますね。でもまだ輸出するルートや手法を整えないといけないので、それまで当分販売は日本のみですね。

日下部私達にもご紹介できる方がいるかもしれませんので必要なときはご紹介させていただきますね。本日はありがとうございました。

水井 裕・日下部淑美

フードエリートからひとこと

まだ認知されていない時代からココナッツオイルの素晴らしさを伝えるとともに、世界の環境問題、貧困問題と向き合い産業を興してきた水井社長を本当に尊敬します。ココナッツオイルは活用の仕方によっては本当に素晴らしい食材だと思います。日本人は流行に流されやすく情報を鵜のみにしやすい人が多いですが、本質を知り、上手に自分に有益になるように活用してほしいと心から思います。

会社データ 関連リンク

株式会社ココウェル

大阪府大阪市西区立売堀5-5-7

TEL: 06-6541-5572 / FAX : 06-6543-5571

代表者:水井 裕

公式サイト

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