美味しい野菜は土にこだわり、土にこだわれば無農薬になる。

バグラスファーマーズ株式会社 代表取締役
吉岡 和彦
布鎌ライスセンター
旬農場 代表
鈴木 俊

お爺さんの影響で無農薬農業を始めた鈴木さんと、玄米おにぎりの美味しさに感動しオーガニック八百屋を立ち上げた吉岡さん。「命ある生きた作物をつくること」について、お話しいただきました。

自然栽培と循環農法にこだわったクオリティの高い野菜をつくる

渡邉 敏行

鈴木 俊(すずき しゅん)

祖父の影響で3歳の頃から完全無農薬・無化学肥料の米農家の手伝いをはじめ、高校卒業後野菜作りのため赤峰勝人氏に師事。現在は祖父の農家を引き継ぎ旬農場代表として完全無農薬・無化学肥料の野菜と米を生産している。

渡邉 敏行

吉岡 和彦(よしおか かずひこ)

玄米おにぎりのおいしさに感動したことがきっかけで食生活が変わり、意図せず20キロの減量に成功。体調が目覚ましくよくなったことから食の大切さを痛感。同時期に子供も授かったことから一念発起してオーガニック八百屋バグラスファーマーズを起業。

日下部まずは自己紹介をお願いします。

鈴木祖父が千葉県印旛郡栄町で無農薬のお米農家をやっていて、3~4歳のときからずっと手伝ってきました。そしていつの間にか自分も農業をやりたいと思ったんです。
今21歳ですが、高校を卒業して、大分県の無農薬農法で野菜を作っている、赤峰さんという方のところに修行に行き、今はこちらで畑を手伝い初めて1年半程度になります。父は普通のサラリーマンで、実は僕が農業をすることに反対だったんですが、祖父の影響か、農業をすることしか考えられなくて、自分のやりたいようにやってきました。
農業をするには精神的・体力的な基礎力や技術力を身につける必要があると祖父に言われ、赤峰さんのところに修行に行きました。
自然栽培を中心に行っている「くりもとファーム」の先代、佐藤さんとご縁があって、まだ活用できていない畑もあるとのことで、畑を使わせてもらっています。

日下部「くりもとファーム」のこだわりって何ですか?

吉岡自然栽培(肥料をいれない)と、完熟堆肥を入れて栽培する循環農法の2つの農法にこだわったクオリティの高い野菜を作っています。

日下部吉岡さんが野菜の仕事をするようになったきっかけを教えてください。

吉岡同世代で4年ほど前に集まって「一般社団法人NORA」を設立しました。就職して20年くらいたったころ同世代で集まったときの会話が「なんか楽しくないよね」という内容でしたが、いろいろな話をしているなかで、一つの共通点がありました。それが「食べることって楽しいよね」ということでした。それから農業の方とのご縁ができはじめたのです。
滋賀県の川崎さんという方から、たまたま玄米のおにぎりをもらったんですが、くるみや山椒など10種類上の具材が入ったおにぎりで、本当においしかったんです。侍が食べていたと言われるおにぎりだったのですが、とにかく美味しくて感動したんです。
僕は昔、毎日のように揚げ物や肉ばかりを食べていて、体重が90㎏くらいまで増えた時期がありました。食生活が悪かったせいか背中が痛くなり、いつも眠く、だるく、膝も痛くて・・とにかく体調が悪かったのです。
実はその後1年半くらいで20㎏の減量をしたんです。玄米おにぎりの感動の後、無意識に食べ物をよく噛み味わうようになりました。そのうち自然と揚げ物や肉を食べる量が減っていきました。そして体重が落ちたころに子供が生まれて、子供のためにも体に良い野菜を食べさせてあげたいなって思ったんです。ちょうどそんな時期に、親しくさせて頂いていた「くりもとファーム」の先代の佐藤さんが急に亡くなりました。本当に急のことで、このままではこの「くりもとファーム」がなくなってしまうという想いで、自分でできることはくりもとファームの野菜を販売することだと考え、八百屋をはじめたというわけなんです。今は野菜を全国から取り寄せ販売する「バグラスファーマーズ」という会社を世田谷で立ち上げて、2年弱になります。
取引させていただいている農家さんは、基本的に土作りを大切にするところ、野菜が本当に美味しいところと決めています。正直無農薬にこだわっているというより土作りにこだわっています。手間暇かけて土作りされている生産者さんの野菜は味が濃いのに後味がスッキリしていて、とても美味しいと思います。

野菜を収穫した分、畑に返すことが大切

日下部淑美

日下部吉岡さんが鈴木俊君を一押しする理由って何ですか?

吉岡やっぱり野菜が美味しいから。これまで1年間送ってもらっていますが、本当に美味しいんですよね。

日下部この仕事の苦労などあれば教えてください。

鈴木堆肥作りがとても大切なんです。完熟堆肥にして畑に戻すことができないと、土はどんどん栄養を失うだけで痩せてしまう。「野菜を収穫した分、畑に返す」ということが実は大切なことで、これが循環農法の考え方です。最初の土づくり、土が出来上がるまでがまずは大変ですね。

日下部完熟堆肥とはどんなものですか?

鈴木米糠と草で堆肥を作ります。微生物がすべて分解して匂いがなくなるところまで、3か月~半年かけて堆肥を完熟させるので、完熟堆肥と言います。

日下部今回畑に来させてもらい足を踏み入れたら、土が柔らかいですよね。微生物がいると柔らかいですね。

鈴木そうなんです。土の栄養も違いますし、土が生きているんですよね。生きていないと土は固くなりますし、本当は生きた土からできた作物でないと、人のカラダに必要な良い作物はできないと思っています。

日下部大量生産とか、キレイな野菜とかが求められている今の時代ですが、今の農法で問題点はありますか?

鈴木除草剤などは一切使わないので、草を手でとるしかないところが結構大変です。草取りができてしまえば、後はそんなに違いはないです。一時的に草取りを手伝ってくれる人がいるだけでも助かりますね。

命のあるものを作ることだけはぶれてはいけない

日下部淑美

日下部循環農法や自然農法の農家さんは増えているのでしょうか?

吉岡僕の感覚だと増えてもいないし、減ってもいない。現状維持ですね。ただ、ちょっとずつ増える兆しが見えてきていると思います。この近くにも若手農家の人が増えていますが(循環農法を増やすとかではなく)、堆肥作りや土を作るという考え方をする若者が出てきているように思います。そのうち、一気に増えることも期待しています。

日下部この農法は昔ながらの農法だと言いますが。

吉岡自然栽培は江戸時代より前の農法だと言われ、収穫量が不安定で大変だったらしいです。江戸時代になって堆肥作りをするようになって、作物がより多く実るようになったとか、生産者さんにいろいろ教えてもらっています。

日下部最近の子供は袋に入ってカットされた野菜しか見ていないとか、本当の美味しい野菜を知らないという問題がありますよね。機械化で農薬を使い、室内で蛍光灯のようなライトの中で作物がつくられることもありますが、原点回帰をしているこの農法の必要性をどう感じていますか?

吉岡赤峰さんが、「世の中には決して逆らわず、トラクターなども使うし、柔軟に考える。ただ一番大事なことは、命のあるものを作るってことだけはぶれてはいけない」と言っています。命のあるものを食べないと、自分の命にならないよって言いますよね。あとは今の時代に合わせて、バランスよく実践することだと思うのです。我々の仲間の生産者さんは、本当に命ある生きた作物をつくることができます。

日下部私もいつもセミナーなどで命のあるもの、生きたエネルギーのあるものを食べなさいと指導しています。農家はこれからどうしていかないといけないと思いますか?

鈴木やはり自分と同世代で農家をする人がいないことが問題だと思います。これからの農家は間違いなく人がどんどん不足していきます。周りをみても年配の方が多く、後継者もいません。その方達の畑を僕一人で引き継ぐことは到底無理ですので、若い人に農業に興味を持ってもらって仲間が増えるとうれしいでよね。

健康な人と病んでる人の料理では味もエネルギーも変わってくる

日下部淑美

日下部 淑美(くさかべ よしみ)

BODY INVESTMENT代表
フードエリート / カラダ経営コンサルタント / 管理栄養士

プロフィール

日下部農業の魅力ってなんですか?

鈴木楽しさですよね、理由なしで。僕は好きなのでやっていて楽しい。

吉岡美味しい物を食べることができて結果楽しい。感動するし、幸せも感じられることですね。

日下部自分も健康でないと人を健康にはできないと思います。同じ料理をするのでも、心身ともに健康な人が作るのと、病んでる人が作るのでは味もエネルギーも変わってくると言われますが、お二人は自分の健康管理はどうされていますか?

鈴木このような仕事をしているので、食事は完全無農薬の玄米菜食が主です。農薬に触れる機会や、そういう野菜を食べる機会もないですし、スーパーなどでインスタント食品を買うこともありません。食事は本当に良いものしか食べていないので、体の中に害になるものをほとんど摂りいれていないと思います。(笑)

吉岡お陰様で体重は維持しております。最近は忙しく家で食事ができないことも多くなっていますが、家で食べないときも少しでも美味しいお店(無農薬野菜などを提供してくれるような)を選ぶようにしています。お昼は奥さんにお弁当をつくってもらっています。

日下部すばらしい奥様ですね。今はお昼のお弁当を作ってくれる奥様が少なくなってきているので、感謝ですね。

吉岡そうですね。美味しいレストランも増えてほしいですね。それから呼吸法を学んだので、呼吸の仕方を意識するようにしています。寝る前にすると睡眠の質がよくなり、睡眠時間が減っても朝の目覚めがよくなりました。

オーガニック野菜を普通にスーパーで買える日本にしたい

吉岡和彦

日下部現在のお仕事を通して、これからの吉岡さんの展望などを教えてください。

吉岡普通にオーガニック野菜が手に入る世の中にしたいです。今日本のオーガニック普及率は0.47%ですが、それを30%までもっていきたいなと思っています。普通にスーパーで買えるようにしたいですね。

日下部将来的にオーガニック野菜のレストランなども増えてほしいですよね。そういうレストランが普通になれば安心して外食もできるし、健康も維持していけますよね。オーガニック先進国のアメリカでもまだ10%の普及率に満たないですから、今の日本の普及率0.47%から30%まで増やすっていうのは、実際に日本では大変なことですよね。

日下部鈴木君は、玄米菜食ですが、早朝から夕方まで1日中畑仕事をして体力がありますよね。よく玄米や菜食では栄養が足りないとか、パワーが出ないのでは?と言われる場合もありますが、昔の話で1日中飛脚をして走り回る日本人を見たアメリカ人が「何を食べたらこんなに体力がつくのだろう」と観察をしていたところ、玄米のおにぎりを食べていただけだったんです。「そこに肉も食べさせればもっとパワーが出るに違いない」と肉を食べさせてみたところ、逆に体力が続かず早々に限界状態になってしまったという逸話があります。

吉岡いざ鎌倉!の際、侍が現在の広島から鎌倉まで玄米おにぎりだけ食べて不眠不休で2日間かけて歩いたという文献が残っているそうです。今の栄養学では考えられないですね。理屈ではなく人間の能力ってもっとすごいですし、食事も栄養のある生きたエネルギーを取れたら、少量でもカラダは十分動くんですよね。

日下部そうなんです。実際に今の野菜や白米では本当に必要な栄養は得られないという現実があります。その状態で菜食をしていると確かにパワーダウンしてしまうのかもしれません。
最近は「スーパーフード」という言葉をよく耳にしますが、海外の新しい果実や、あまり聞きなれないものがもてはやされて、日本人も飛びついています。でも実は日本には素晴らしいスーパーフードが身近にあるわけですよね。それが良い土で育った無農薬玄米だと思うのです。

吉岡鈴木君の米農家の御爺さんは、本当に自然の状態でとてもこだわった美味しいお米を作っていますよ。

日下部いいですね。そんな美味しいお米なら私達も是非食べたいですし、もっと多くの人に知ってもらいたいですね。

鈴木是非食べてください。販売もできますので。

日下部我々も販売のお手伝いさせてください。これから、吉岡さんと鈴木君のおかげで、我々も玄米、野菜、さらに本物の漬物まで販売させていただけること嬉しく思っています。どうぞよろしくお願い申し上げます。

吉岡和彦・鈴木俊・日下部淑美

フードエリートからひとこと

自然の中には食物連鎖というものがあります。
命が命をつなぐ。その命には別の命を育てる役割があります。どの命も無駄ではありません。それが野菜の虫であっても。虫の存在する意味があるのです。
無農薬だから虫がいるのではありません。土が痩せ栄養バランスの崩れた野菜を虫は好んで食べるのです。人間はいつから本当の臭覚や味覚を失ってしまったのでしょうか。どのような野菜が本物なのか、みなさんも「ニンジンから宇宙へ」という赤峰勝人さんの著書を一度読んでみてください。
私達も本当に生きた野菜が世に中に溢れる日本にしたいと心から願っています。

会社データ 関連リンク

布鎌ライスセンター 旬農場
〒270-1543 千葉県印旛郡栄町請方1347-32
TEL : 0476-37-7831 / FAX : 0476-37-7832
代表者:鈴木 俊

バグラスファーマーズ株式会社
〒154-0003 東京都世田谷区野沢3-37-8-101
TEL : 03-3414-2030 / FAX : 03-3414-2030
代表者:吉岡 和彦

布鎌ライスセンター 旬農場

Bugrass Farmers

コメント

コメントはまだありません

コメントを残す


PAGE TOP